北海、今度は背番号12・長内が完封勝利! 「疲れは感じなかった」【春季全道大会】
■春季全道高校野球準決勝 北海4―0札幌大谷(5月29日、札幌円山)
札幌大谷打線をわずか4安打に抑える
低め低めにボールを集めた。先発マウンドに上がった北海の長内陽大投手(はるた、3年)が、強打の札幌大谷をわずか4安打に抑え、本塁を踏ませることはなかった。準々決勝札幌日大高戦の背番号1・岡田彗斗投手(3年)に続く完封劇。自身公式戦初の完投にも「涼しかったので、そこまで疲れは感じなかった」とケロリ。チームの目標の一つ「春全道優勝」まであと1勝。左腕の快投で投手陣は万全な状態で決勝に臨む。
球威のある直球を武器とする岡田とはうって変わって、長内は軟投派だ。カーブ、スライダー、チェンジアップを巧みに操り、札幌大谷に的を絞らせなかった。「行けるところまで飛ばしていこう」と一回はいきなり3者連続三振を奪う完璧なスタート。その後もテンポ良く凡打の山を築いた。三回からは4イニング連続3人斬りと、その投球リズムが崩れることはなかった。
「低めに集めていい結果につながった」
九回には2死三塁のピンチを招いたが、表情を変えることなく最後の打者を遊ゴロに仕留めた。119球の完封勝利。「打たせていこうと思って、低めに集めていい結果につながった。良かったです」と笑顔を見せた。平川敦監督(52)も「最後まで丁寧な投球をしてくれた」と称えた。
昨年12月、ウエートトレーニング中に腰を痛めた。思いの外、完治に長引き、3月中旬ぐらいまで練習することができなかった。それでも下を向くことなく、食事などで約5キロの増量に成功。全体練習から離れている間は大谷翔平(28、エンゼルス)なども練習で用いるプライオボールを使用し肩回りに負荷を掛けた。地道な鍛錬が功を奏し、この日は自己最速を更新する136キロをマーク。
長内「他の3人とは系統が違うので、うまく利用したい」
岡田や熊谷陽輝一塁手(3年)、橋本理央投手(3年)の本格派がそろう中で制球力のある長内は貴重な存在。平川監督は「左投手で変化球をきちっと投げられれば打つのは難しいと思う」と評価する。長内自身も「他の3人とは系統が違うので、そこの違いをうまく利用したい。ピンチの場面で投げることも考える」とあらゆる登板機会をイメージする。連戦となる30日の決勝も「出番があれば、備えます」と頼もしい。勢いに乗る北海道栄を自慢の投手陣で封じ込める。