《岩本勉のガン流F論》違った引き出しの必要性を感じた加藤貴のピッチング
■交流戦3回戦 ヤクルト5ー0日本ハム(6月1日、エスコンフィールド北海道)
〝らしさ〟を欠いた加藤貴 狙い球を絞ってきたスワローズ打線
シーズンを通して、すべての試合で好投できるピッチャーはいない。先発した加藤貴もこの日、そうだった。序盤三回までに7本のヒットを許した。〝らしさ〟を欠いていた。
ただ、違った引き出しの必要性も感じた。四球を出さず、ベース上でどんどん勝負してくる加藤貴。スワローズ打線は狙い球を絞ってきた。ベースを半分に割り、左打者ならば、アウトコースへのスライダーとストレート、またはインコースの沈む球と直球系―などと2択で打席に立っていたように見えた。
四球を出さないのは良いこと だが、フォアボールを恐れすぎると…
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四球を出さないことは良いこと。だが、フォアボールを恐れすぎると、時に狙い球を絞りやすくしてしまう。凡打するにしても、一回から大飛球や痛烈な当たりを見せたスワローズ打線に可能性を感じた。一方の加藤貴はデータ通りの投球をしてしまった。
少しでも相手バッターに「何だ、加藤。データと違うじゃないか」と思わせられていたら結果は違っていたかもしれない。相手の想像を上回る臨機応変さが、さらなる快投を可能にする。それはバッテリーで考えていかなければならないことだ。
巧みだった前日の上沢 臨機応変さを披露
前日の上沢は、それができていた。コーナーへのコントロールに苦慮すると、縦のカーブや落ちる球で奥行きを駆使して見せた。
打線はサイスニードに完敗 加藤豪は楽しみな存在
打線はサイスニードに、してやられた。相手の状態が上回った。こういう日もある。ただ、セーフティーバントを試みるなど、揺さぶりをかけてもいい場面はあった。
そんな中、加藤豪が2安打。2投手から、それぞれ1安打ずつ放った。サイスニードからは四球ももぎ取った。状態の良さを感じる。これからさらに本領を発揮していくはず。勝負強さも見てみたい。楽しみな存在なのは間違いない。