札幌手稲中出身の22年四国ジュニア王者・山本詠太が初優勝《北海道アマゴルフ選手権》
■北海道アマチュアゴルフ選手権 最終日(6月2日、苫小牧・北海道ブルックスCC、7237ヤード=パー72)
2位と6打差、4日間通算1アンダー
2位に6打差でスタートした2022年全国高校選手権個人8位の山本詠太(シェイクスピアCC、兵庫・大手前大1年)が最終日アウト36、イン37の73。後半14番でダブルボギーをたたき後続に3打差まで詰め寄られたが、17番、18番を連続バーディーでホールアウトし、最終的に6打差を維持したまま4日間通算1アンダーで初優勝した。
2位に5打差で迎えた441ヤード、パー4の18番。残り170ヤードの第2打をピン奥2メートルにつけ、バーディーフィニッシュ。2日目と3日目には参加者の中でただ1人69のビッグスコアをマーク。「2日目、3日目の貯金がやっぱり自分の中で大きい。昨日と一昨日の自分に感謝します」と優勝カップを掲げはにかんだ。
着実なパーオンと正確なショットがスコアメークの土台
身長は170センチ。ドライバーの平均飛距離は260ヤードと飛ばし屋タイプではないが「ドライバーが曲がらないのには自信があった」。後半9ホールは14番を除き8ホールでパーオンと正確無比なショットがスコアメークの土台となっている。さらに「南風の今日とか、2日目、3日目はちょっと長いホールでフォローになってくれるので、そこでなんとか。体感的には7200ヤードもないなと思いました」。国内屈指のモンスターコースを攻略した。
ライバルの存在がゴルフを続けるきっかけに
ゴルフ留学を決意したのは東北福祉大1年の田村軍馬の存在だ。「全国に行って悔しい思いばかりしてきて、ゴルフやめようか迷った時期もあったけど、僕の上を行ってくれる存在が同級生でいて、その子と日本ジュニアとか合宿とかで会って、一緒にゴルフがしたい」。札幌手稲中卒業後、四国学院大香川西高に進学。互いに切磋琢磨しながら成長した。山本は高校2年時に全国高校選手権で団体優勝、3年時には四国ジュニア選手権を制し、全国高校選手権で個人8位。「自分の高校生活で頑張ってきたことが発揮できた試合」と、3年間で一皮も二皮もむけて帰ってきた。
阪神・茨木投手と共に中学卒業後、本州へ飛び立つ
友人の活躍にも刺激を受ける。22年のドラフト4位で阪神入りした茨木秀俊投手(18、新潟・帝京長岡高出)とは小中が一緒。札幌手稲中時代には、毎朝一緒に通学した仲だ。中学卒業後、共に将来のプロ入りを目指して北海道を飛び出した。「去年はずっと帝京長岡戦をスマホで見て応援してた。(新潟県大会)決勝は惜しかったけど、同期が頑張ってるのは自分の中ですごい刺激になりましたね」。さらに大手前大の寮は阪神の本拠地・甲子園球場から電車で約10分。4月には阪神-広島戦を観戦した。「早く1軍に上がって、ヒデが投げるところを見たい」と熱望する。
地元開催の日本アマ選手権に全力
プロテスト受験は早くても3年後。まずは6月27日から札幌・ツキサップGCで行われる初出場の日本アマチュア選手権に全力を注ぐ。「最低ライン予選通過が目標。北海道開催なんで。ツキサップは回ったことないけど、やっぱ北海道でやってきた分、芝の感じとか、向こうとは全然違う(ことは分かっている)」。地の利を生かし、自慢のストレートボールで全国の猛者たちを打ち砕く。