ドラ1矢沢 左翼から登板で1回無失点「急に言われたのでちょっと刺されました」
■交流戦1回戦 日本ハム8ー2巨人(6月2日、東京ドーム)
プロ2試合目登板 守備からのマウンドは自身初
また新しい〝矢沢流〟が生まれた。日本ハムのドラフト1位ルーキー・矢沢宏太投手兼外野手(22)が2日、東京ドームで行われた巨人戦に八回の守備から途中出場。まずは左翼に入ると、6点リードの九回からはマウンドに上がった。プロ2試合目の登板だが、野手で出場してから投手を務めるのは初だ。
及第点のピッチング 「ある程度のパフォーマンスできた」
1回を1安打無失点に抑え「前回の登板はある程度、予測できたので、すごい準備しやすかった。野手でも出ていない時でしたし。きょうは急に言われたので、ちょっと僕が刺されました(笑)。あまり(登板を)イメージしていなくて、全くピッチャーのことは考えてなかった。その中で、良いボールを選択して投げられたかな。満足はしていないですけど、ある程度のパフォーマンスができたのは良かったと思います」と自身に及第点を与えた。
大慌ての舞台裏 新庄監督のひらめきが生んだマウンド
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新庄監督のひらめきで急きょ〝守&投〟の二刀流を任された。「守備に入る前は代走の準備をしていました。八回の守備が終わって、(打順が)回ってっきた時のためにスイングをしておこうかなと思ったら建山コーチに『投げるよー』って言われて。『え、いつですか?』って聞いたら『次の回』って。そこからピッチャー用のスパイクに履き替えて、サポーターを外してブルペンで準備しました」と舞台裏は大慌てだった。
スクランブル登板には自信 2死二塁のピンチで後続を断った
それでも、学生時代から登板前の準備の早さに定評がある左腕。この日もブルペンではわずか10球程度で肩をつくり、マウンドに向かった。「(外野から登板する)話はもともとされていたので、言われた時には『いくぞ』って、いきなりスイッチが入って、すぐ肩はできて、いけますって感じでした。ストライクが入らなかったらどうしようとかはありましたけど、落ち着いていました。点差もあるし、割り切っていこうと思っていきました」。1死から坂本をボテボテの投ゴロに抑えると、続く丸には二塁打を浴びたが、最後は同期の萩尾を空振り三振に仕留め試合を締めた。
さらなる二刀流プランを模索する指揮官 矢沢「準備していきたい」
指揮官は試合後、さらなる〝矢沢流〟として、野手出場から中継ぎ登板し、再び野手に戻るプランも示唆した。二刀流ルーキーは「難しさはあると思うけど、そういうことも(新庄監督が)イメージしているのであれば、準備もしていきたい。気持ちの部分が結構、大事なので、いつでも可能性があると思ってやっていきたい」と前向きだ。可能性は無限大。大谷とはまた違うスタイルで、ファンの期待に応えてみせる。