札幌DF田中駿 後半ロスタイムVARでのゴール認定に「今年一番興奮しました」
■J1第16節 柏4-5札幌(3日、三協フロンテア柏スタジアム)
スタジアムに駆けつけた9769人の観衆がVARでの確認の結果を固唾をのんで見守った。確認を終えた主審がホイッスルを吹いて指をさしたのはセンターマーク。そのシグナルは、後半アディショナルタイム3分のDF田中駿汰(26)のゴールが認められ、北海道コンサドーレ札幌が勝利に大きく近づく5点目を勝ち取ったことを示すものだった。殊勲の田中駿は「今年一番興奮しました」と勝利の熱気がまだ残る口調で振り返った。
点の取り合い、アディショナルタイム1分に追いつかれ
柏の粘りに大いに苦しめられた。前半31分のFW小柏剛(24)のゴールで3-1。札幌が2点先行したが、その3分後にカウンターから失点を許すと後半8分にはとうとう同点に追いつかれてしまう。同24分、MF金子拓郎(25)のゴールで再び勝ち越すも、同アディショナルタイム1分に再び追いつかれた。あと一歩のところでスルリと手からこぼれ落ちそうだった勝ち点3。それでも強大な破壊力を誇る今季の札幌はそのままでは終わらなかった。
「みんなが諦めずにやれたことが結果につながった」
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「今の自分たちは点を取られても点を取れるという意識がみんなの中にある。今までだったらあそこで追いつかれて、逆転まで行かれたり点が取れなかったりということが多かったけど、みんなが諦めずにやれたことが結果につながったと思います」(田中駿)。全員が最後まで攻め抜いたことでもう一度手中に勝利を収めることができた。
試合後〝296トリオ〟の再会に笑顔
この試合では札幌に同期入団し今季から柏へ移籍したMF高嶺朋樹(25)とのプロ入り後初の直接対決が実現した。「やっぱり味方にいたら心強かったし、敵にいたらすごい嫌な選手だなと思いました。直接マッチアップする回数も何度かあったので、そこはすごく楽しみながらできました」。試合後、金子を含めた3人で記念撮影を行うなど久しぶりの〝296トリオ〟の再会に笑顔を見せた。
3連勝で迎えた名古屋戦は1-2で敗戦。仕切り直しの一戦できっちり勝利をつかむことができた。「こういう形で勝てたことはすごく大きいかなと思います。上を目指すには連敗をしないことがものすごく大事だとみんなで言ってきた中で、しっかり勝つことができました。またここから上に行くきっかけになればいいと思います」。劇的勝利の勢いで、再び札幌が上位戦線に殴り込みをかける。