北ガスが都市対抗道地区3連覇 敗者復活戦からの逆転本戦切符
■都市対抗野球北海道地区2次予選最終日(4日、札幌円山)
▽リーグ戦 北海道ガス(3勝)9-1札幌ホーネッツ(3敗)※八回コールドゲーム
札幌ホーネッツに1次予選のリベンジ
王手をかけていた北海道ガスが、東海林寛大捕手(27)の先制3点本塁打など4本の柵越えで札幌ホーネッツを八回コールドで撃破。1次予選で敗れるも敗者復活から勝ち上がり、2次予選は無傷の3連勝で3年連続3度目の優勝を果たした。今春、元東芝監督の工藤賢二新監督(47)が就任。短期間で投打にレベルアップした。1次予選で敗れてから本大会の出場権を獲得するのは2014年の室蘭シャークス以来9年ぶり。本大会では北海道勢100勝の節目に挑む。
優勝請負人、元東芝の工藤監督が就任
4月に就任したばかりの指揮官が何度も宙を舞った。東芝では選手、コーチ時代に優勝を経験。監督としても本大会に出場した実績があるが「ほっとしました。都市対抗は何年たっても必死。冬からやってきた一つの集大成だと思っている。本当によくやってくれたなと思います」と胸をなで下ろした。
同じ相手に2度負けるわけには行かなかった。最後の相手は1次予選初戦で敗れた札幌ホーネッツ。東海林捕手は「絶対負けられない気持ちでいた」とリベンジに燃えていた。0-0で迎えた四回に試合が動いた。1死一、三塁で7番・東海林が初球を左翼ポール際へ豪快な先制3点アーチ。「序盤うちのチャンスでなかなか点が取れなくて、ベンチでも初球からいく指示が出ていた。人生で一番飛んだ」。2018年の創部時からプレーする生え抜きの道産子の一発が打線に火を付けた。
「手の皮ズルむけ」で振る力養う
この試合では4本の本塁打が飛び出すなど先発全員の15安打。「監督が来てから振りこみ量も増えて、みんなパワーがついた」。打席では差し込まれないように前でさばくことを意識。普段の練習では1日1000スイングのような数を目的に素振りをするのではなく、ボールケース1かご約100球を休むことなく全力で打ち続けるなど〝振る力〟を養った。「手の皮ズルむけです。笑顔でさらっと厳しいメニューとか持ってくるんで。あぁ、それ普通に言うんだと。でも練習中はボールを集めてくれたりバッピーを務めてくれたり自分で動いてくれる。やっぱり監督のためにと思わせてくれる監督ですね」(東海林)と信頼は厚い。
道勢100勝は自分たちが取る
1年がかりの目標を達成する。2度目の出場となった22年は1回戦でその年のドラフトでヤクルトから1位指名された吉村貢司郎投手(25)を攻略。1-0で創部初の全国1勝を成し遂げたが、道勢100勝がかかった2回戦はJR西日本に逆転負けした。東海林捕手は「リーチをかけて他のところに取られるのが嫌だった。今回、その挑戦できる権利をうちが取れた。去年の結果を超えたい。1勝して見えた景色は『まだ足りない』。東京ドームで暴れてきたい」。北海道の社会人野球の歴史に新たな歴史を刻み込む。