逆輸入ルーキー加藤豪 絶好調バットで日本新 清宮超え達成
■交流戦3回戦 日本ハム10ー3巨人(6月4日、東京ドーム)
デビューからの8戦連続ヒット 日本記録更新に感謝の意
逆輸入ルーキーが絶好調だ。日本ハムの加藤豪将内野手(28)が4日、東京ドームで行われた巨人戦に「3番・一塁」で先発出場。第2打席の中前打を皮切りに3安打を固め打ちし、NPB初の猛打賞をマークした。デビュー戦から続く連続試合安打は「8」に伸び、ドラフト制後(1966年以降に入団)の新人としては、清宮幸太郎内野手(24)が2018年に樹立した最長記録を更新した。
新天地で最高のスタートダッシュを決めた。メジャーを経験した実力は、どこから見ても本物だ。「野球のシーズンは波がいっぱいある。監督がリハビリの最中も状態が良くなったら上げると言ってくれた。その波と1軍に上がるタイミングが合っただけ。スタートラインに立つためのリハビリや生活、日本のカルチャーに慣れること。小なことでいろいろ支えてくれる人たちのおかげです」。控えめに喜びを表し、周囲への感謝を言葉にした。
大好きな清宮へ 「I beat you(俺が勝った)」
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「大好き」と表現する清宮の持つ記録を塗り替えた。人懐っこく、英語で積極的にコミュニケーションを図ってくれる年下の存在は、大きい。「幸太郎には今からすぐLINEします。英語でI beat youと言うと思います。『俺が勝った』って」と、ちゃめっ気たっぷりの笑みを広げた。
少数派の思いを重宝 グラブに刻んだ日本人の誇り
マイノリティーの思いを背負い、グラウンドに立っている。身に着けるピンクのバンドと打撃用手袋、フットガードには「アメリカの球団では女性のスタッフやコーチがすごく多いけど、こっちでは少ない。女性の気持ちを思いながら、応援したい」との意味が込められている。
野球の母国・アメリカでは少数派の日本人として、疎外感を味わった経験がある。それでも、自らのルーツに誇りを持ってプレーを続けてきた。9年間愛用する内野用グラブの親指部分とスパイクのかかとには「豪将」と漢字で刺しゅうを施している。規定のため、外すことになったが、来日時にはグラブに日の丸のワッペンも付けていた。
「ジャパニーズプライドですよね。向こうにいる時はジャパニーズプライドを持ちながら仕事をしてきた。向こうだと(名前を)漢字で入れていた方が格好良くて評判が良かった。でも、こっちではみんな英語で入れていますよね。ジェームス(野村)とか。こっちに来て漢字を入れている人がいなくて、びっくりしました(笑)」
快記録も勝利のため ヤンキース時代に培ったフォア・ザ・チームの精神
アメリカで22年間を過ごした通訳の多田さんは「豪将はいろいろな経験をしてきた。深い、深いところで物事を考えていますよね」と証言する。日本人の魂を胸に、自力で未来を切り開いてきた。強い信念を持つ男にとって、快記録の更新は通過点にすぎない。
「記録は…、やっぱり個人的なものなので。ヤンキース時代に、プロってどういうものかを教えてもらった。ヤンキースは(ユニホームの)後ろに名前がない。背番号とチームの名前だけを考える野球を18歳の時から学んできた。そういうカルチャーで野球人生を始めたので本当にチームのことだけですね」
目指すのは勝利だけ。ファイターズを日本一に導くことが、唯一無二の使命だ。
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