天皇杯に撃ち合いは必要ない《平川弘のCool Eye》
敵地での柏戦は5-4の凄まじい撃ち合いで札幌らしいゲームだった。9点も得点が入ればサポーターは面白いだろう。最近の札幌のエンターテイメント性は凄い。
高嶺の移籍はボランチで攻撃に絡みたかったから
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元札幌の高嶺との対戦が楽しみだった柏戦。高嶺は敵地へ乗り込んだ札幌サポーターから激しいブーイングを浴びた。柏ヘの移籍はボランチで攻撃に絡みたいという本人の強い意志があったようだ。札幌では最終ラインに入ることがしばしばあったから。それを証明するように柏の1点目は高嶺の配球から戸嶋のゴールが生まれた。中盤でも小柏に激しくチェックにいってイエローカードをもらうなど意地を見せていた。柏に行って貧乏くじを引いた感はあるが、井原体制に替わって高嶺の道が切り拓かれることを願いたい。
中村は大きな自信を得たはず
両軍合わせて9ゴールと、サポーターにとってはたまらないゲームだったが、私が注目したのは中村のポジションだった。普段は3バックの左ストッパーだがこの日は4バックの左センターバック。システム的に言うとそうだが、少し引いて動き回る売り出し中の細谷にくっつくためボランチとセンターバックの中間のような位置取りだったと思う。曖昧なポジションをバランスよく柔軟にこなすなら福森の方が適任なのだろうが、速さと強さのある細谷を抑えるには強さのある中村がベターだったということだろう。細谷に張り付くだけでなく、臨機応変にマークを受け渡し彼の武器でもあるボールの持ち出しで札幌の攻撃に厚みをもたらした。細谷に1ゴールを許したが、それは金子のチョンボで中村に責任はなかった。細谷を抑え込んだことで中村は大きな自信を得たはずだ。ペトロヴィッチ監督も新しいオプションに手応えを感じたことだろう。
トーナメント方式はつまらなくても勝つことがすべて
7日は天皇杯の相模原戦。相手はJ3の下位に沈む格下だが、天皇杯の初戦はいつも苦労するのが常。球際で緩いプレーをすると相手につけこまれるので厳しい寄せと速い判断が必須。撃ち合いは必要ない。つまらなくても勝つことがすべてだ。