札幌FW中島 苦しみ抜いた20歳にケリつける ゴールで21歳前祝いだ
■6月6日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は7日の天皇杯2回戦SC相模原戦(札幌厚別、19時キックオフ)に向けて、7対7のミニゲームやPK練習などで最終調整を行った。8日に誕生日を迎えるFW中島大嘉(20)にとって相模原戦が20歳最後の試合となる。悩み、苦しみながらも成長のために前を向いて戦ってきたこの1年をゴールで締めくくり、最高の形で21歳をスタートさせる。
急成長見せた19歳
プロ入り2年目の昨季、中島は絶好のスタートダッシュを見せていた。3月2日のルヴァン杯柏戦(三協F柏、3〇2)で2ゴールを挙げて2点差をひっくり返す大逆転勝利に貢献すると、4月までに公式戦で計6ゴールをマーク。6月にはウズベキスタンで開催されたAFCU-23アジアカップを戦うU-21日本代表に追加招集され、誕生日翌日のタジキスタン戦で20歳初ゴールをマーク。日本の将来を担うストライカーとして飛躍が期待されていた。
だが、ここから中島の苦闘が始まる。帰国後、札幌での公式戦出場は6試合にとどまり、ノーゴール。そして今季も12試合の出場で得点は4月5日のルヴァン杯横浜M戦(ニッパツ、1●2)で挙げた1得点のみとなっている。
「ふがいないというか、すごい悔しい1年間」
そんな20歳の1年間を振り返り「ちょうど試合に出ていない時期が20歳。19歳のときは結構試合に出て点も決めていたけど、20歳になってウズベキスタンから日本に帰ってきてからはほとんど試合に出てない。今年始まってからも割とチャンスはもらいましたけど、ふがいないというか。成長は自分の中で感じつつも、それがなかなか体現できなくて。数字を残せず今またこういう現状にあるので、すごい悔しい1年間ではありました」と悔しさを口にする。
一方で、悔しい気持ちを成長の糧とし努力と経験値を積み重ねてきた1年間でもあった。「精神的に少し大人になったかなって感じている部分はあって、サッカー的にもすごく幅が広がったし考え方もすごく成長したと思うので、悪くない1年やったかなって思ってます」。
「誕生日イブの夜に気持ちよく寝られるように」
21歳の誕生日を翌日に控える中で迎える相模原戦。「20歳最後なので、終わり良ければ全て良しじゃないけど自分自身に有終の美を。20歳としてこの1年が良かったなって思えるような満足のいくゴールをできるだけ多く、取れるだけ取りたいし、ゴール以外の部分でも去年から1年間取り組んできたことをしっかり出せれば、まあ悪くない1年やったなって締めくくれると思うので。誕生日イブの夜に気持ちよく寝られるようにいいプレーをしたいなって思います」。ルーキーイヤーの21年に同じ厚別で行われた天皇杯・ソニー仙台戦(5〇3)でのハットトリックのようなゴールラッシュの再現を目指す。