11試合中10試合QSの加藤貴 社会人時代から変わらないもの
■交流戦2回戦 広島1-0日本ハム(6月7日、エスコンフィールド北海道)
2試合ぶり白星逃すも 中5日の先発登板で今季最多122球 8回3安打1失点
日本ハム・加藤貴之投手(31)が7日、エスコンフィールド北海道で行われた広島戦に先発し、8回を投げて3安打1失点と好投。打線の援護に恵まれず、4敗目を喫したが、中5日のマウンドで今季最多122球の熱投を披露した。
安定感抜群だ。今季11度目の登板で、リーグトップとなる10度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成。2試合ぶりの白星はつかめなかったが、「投げる方に関しては前回よりも修正できたと思いますし、そこは良かったかなと思います」とうなずいた。
五回1死から坂倉に初球を捉えられ、左越えソロで先制点を献上した。7回で球数108球に達していたが、志願して八回のマウンドへ。「6連戦というのもありますし、七回が終わった時点で八回も行く気でした」と意地を見せた。
社会人時代からのチームメート・玉井が感心する「加藤らしい」ところ
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表情を変えることなく、淡々と投げる。その投球スタイルは、社会人時代から変わらない。日本製鉄かずさマジックでチームメートだった同学年の玉井は、こう証言する。「昔から今も、投げ方が一切変わらない。ぶれずに突き通すところがすごい。大まかな投げ方はあのままのイメージで、昔から表情も変わらない。社会人の時から加藤が投げると試合が早く終わりますね」。
何でも器用にこなす、センスの塊だ。「感覚がいいですよね。動きのドリルとかしていても、真面目にやると一発で出来ちゃう。指先の感覚もいい。変化球も大体ではなくてビタビタで投げられる」。今季は自身初の開幕投手を務め、注目を浴びるようになったが、おごることもない。そんな左腕の姿を近くで見てきた玉井は「グレードアップしているのに、何も変わらないのが加藤らしい。あの感じのまま行けるのがすごいと思います」と感心する。
主力としての自覚 「イニングは投げたい」
アマ時代から変わらぬ加藤貴だが、主力としての自覚は芽生えてきた。「今年は上を目指してと、監督が言っている。一つでも自分にプラスになると思って、イニングは投げたいかなと思っています」。チームのため、ひょうひょうと腕を振り続ける。
■建山投手コーチ
「本当に申し分のないピッチングでした。昨日負けていますし、本人もまだまだいけるっていう感じでした。今年はイニングを投げることに対しての意識が強いので、頭が下がるというか。しっかり球数を投げていますので、(次回は登板間隔を)短くしていくことはおそらくしないと思います」