札幌FW中島 苦しみ抜いた20歳 最後の日をゴールで飾った
■天皇杯2回戦 札幌3-0相模原(7日、札幌厚別公園競技場)
北海道コンサドーレ札幌は7日、SC相模原と対戦し3-0で勝利した。3回戦は7月12日(会場、キックオフ時間未定)に大分県代表のヴェルスパ大分と対戦する。
後半18分から途中出場したFW中島大嘉(20)が右足でチーム3点目をゲット。20歳最後の日をゴールで締めくくった。
「ボールが良くて自分のポジショニングも良かったなという感じ」
後半33分、右WBの田中宏武(24)からのクロスに反応した。「シュートコースがちょっと無くて。たぶんぶち込もうと思ったらできたけど、ミランとか金健熙とかがフリーだったのが見えて折り返そうとしてヘディングしたら、敵に当たって跳ね返ってきたので押し込んだ感じでした」と、4月5日のルヴァン杯横浜M戦(ニッパツ、1●2)以来約2カ月ぶりとなるゴールの場面を振り返る。「折り返しが通っていても中の人が決めたと思うし、もし自分がヘディングでシュートを狙ってても入ったんじゃないかなと思うので、(クロス)ボールが良くて自分のポジショニングも良かったなという感じでした」と、自身とともにゴールに関わった選手たちを称えた。
ゴール以外は「全然あかんかった」
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だが、久しぶりのゴールにも浮かれた様子は一切見せなかった。ゴール以外のプレーについては「全然あかんかったです」と辛口の評価。現在札幌の攻撃陣はMF浅野雄也(26)、FW小柏剛(24)、MF駒井善成(31)の前線3人が好調をキープ。リーグ戦初ゴールを挙げたスパチョーク(25)なども控え、この日先制ゴールを挙げたFW金健熙(28)も戦列に復帰した。自身の立ち位置は理解している。「まずはルヴァン(18日磐田戦)を頑張ります」。地道に一段一段登っていき序列の変化を目指す。
「まずはルヴァンを頑張る」
19歳初戦となった一昨年6月9日に行われた天皇杯2回戦ソニー仙台戦(札幌厚別、5〇3)でハットトリックを達成。翌シーズンは4月までに公式戦6ゴールを挙げるなど乗りに乗りまくっていた。だが20歳の誕生日を迎えた以降はなかなか出場機会を得ることができず、ゴールからも遠のいた。苦しみ抜いた1年間。その最終日にゴールを決めたことで長いトンネルから出口が見えたことを予感させる。
「21歳。何か変わるんすかね」
「21歳ってどんなんなんだろう。(何か)変わるんすかね?」と報道陣に逆質問をした中島。残念ながらそんな時代ははるか彼方に過ぎ去った記者はその質問に答えることができなかったが、逆境を乗り越えた中島大嘉ならばきっと大きな飛躍を遂げる年にしてくれるはずだ。