《SHINJOの信条》(江越に)何とか花咲かせたいっていう気持ちはすごいあって
■交流戦1回戦 阪神0ー4日本ハム(6月9日、エスコンフィールド北海道)
―阪神3連戦で初戦勝利。今の気持ちは
「きょうはファイターズがホームですよね?どっちがホームか分からんぐらいの、すごい声援でしたね」
―初回の守備から江越の活躍が大きかった。1番起用はどんな思いが
「やっぱりタイガース出身で、江越くんが何かやってくれそうな気がして。『1番で行くぞ』って練習前に伝えたら、『は?』って顔していました。はっはっは」
―三回には二塁手のハンソンがホーム生還を狙った走者をアウトにした
「ね。あれ前進守備にして、なんかセカンドゴロが飛びそうな気がしたんですよね。まあうまくね、さばいて、ホームにも良い送球を投げてくれて。ハンソンの守備はどんなもんかなって期待していたんですけど、期待している以上のセカンドの守備をしてくれているので、今度はちょっとショートでも見てみたいかなっていうふうに、きょう思いましたね。ただ、当たりは良いんですけどね。雰囲気悪くないんですよ、打席での。でもHランプがついていないというところで、いつ乗ってきてくれるかっていうところを待ちたい」
―全体的に守備への集中力があった印象。監督は
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「ミスがないと、こういう良いゲームができるし、やっぱりミスをした方が。このシーズンに入ってから、ちょっとミスが多かったので、ミスを減らすっていうのは難しいことなんでしょうけど、やっぱり経験させて、自分が良いプレーをしてアウトを取るっていう意識の高さでミスが減っていくと思うので。引いてほしくないですね。ガンガン攻めてほしい。攻めたプレーに対して僕が怒ることはないので。攻めさせます」
―打撃面では伏見も先制2点打
「2アウトからね。三遊間に打ってほしいねってヘッドコーチと話していて、本当に三遊間。ああいうところで打った伏見くんはこれからさらに乗ってきてくれると思うので、期待しています。あとはちょっと打球判断、奈良間くんが打ったレフトの詰まり気味のヒットで(二走の野村が)かえって来てほしかったなーって。ああいうところが大事になってくるので。そういうところを練習からもう一回意識付けしていきます」
―鈴木はエスコンで負けなし
「誰のおかげか聞いておいてください、はい。6勝でしょ、トップでしょ?給料の半分もらわな。ははは。素晴らしいですよね。120キロ台でも詰まらせられるし、空振りも取れるし、やっぱりバッターのタイミングをズラす投球が分かってきたと思うし、あとは盗塁されないテクニックっていうのを、渡辺俊介くんがどうやって盗塁をされていなかったかというところの勉強をしてもらえたら、もっともっとこっちは安心するし、もっと勝ちが増えると思う」
―メンバー交換の時は岡田監督と話をしていた
「ああ、あれですか。秘密。はい」
―九回、田中正が2死一塁で四球を出した時にマウンドへ向かった
「ああ、今年ね、今年というか俺、今まで行ったことないですよね?マウンドに。全部、真っすぐ行ってって。でホームラン打たれてっていうことを言って。あとは表情硬い。あと内野手、頼むよ、カバーしてねっていうことを伝えて。全部、真っすぐ投げろっていう」
―セ・リーグの首位チームに連勝すると波に乗れる。あすに向けて
「その質問もう飽きた。ははは。頑張ります。応援よろしくお願いします。で、いいですか。はい。ありがとうございました」
―江越の逆方向への本塁打は見事だった
「あのー、江越くんのバッティングに対して、今ね、稀哲コーチが練習の前に、いろいろね、協力してあげてくれっていうことを伝えて。稀哲も良い選手だったので。でなんか、きょうの練習前、ライトに放り込む意識でいったらどうだっていうふうな、話をしていたらしいんですよ。俺以上に、稀哲コーチがめっちゃ喜んでいて『ほんまに放り込みよった』って。まあまあ、ライトライナーかなって思ったんですけどね」
―あの打ち方で
「本当に。あの打球が打てるんだもんなー。ね。まあ、でも次のフォアボール良かったですね。ホームラン打った後の三振っていうのはもう、彼の十八番なので。そこでフォアボール取ったていうのは、ちょっと変わってくれるかなって」
―2死一塁で一走の三進を阻止した一回の守備も見事だった
「もうあれ、打点付きでしょ。あれも本当、ホームランぐらいの価値がありますよね。落下地点までのね、勘というか、まあ僕もそうだったんですけど、パッと動いてそこに全部来る。守りのようにバッティングしてもらったらいいですね。打席でも守り、の感覚でいかせる。あまり最近当たってなかったので眼鏡取らせようかなと思って。視点が合うんかなと思って、言わなかったけど。でも、きょうバスターでもいかせようかなと思ったんですよね」
―起用が見事に当たった
「何かやってくれるような勘ピューターが働いて。あの1点はやっぱ大きかったですよね。古巣の阪神タイガースとの戦いで、やっぱ力むもんなんですよ。逆に力ませた方がいいのかな、ね。アドバイスの仕方というのは彼が一番難しいですね。結構いろいろ考えていろんな選手に、ポってアドバイスを送って、結構、良い感じにきているんですけど、ポンっていうことを江越くんには、今862回ぐらい言っているかな(笑)。どれが正しかったのか、ようもう分からん」
―江越に優しい
「もうね、苦労してね、能力があるっていうふうにみんなに思われて何年間も苦労してきた選手を、何とか花咲かせたいっていう気持ちはすごいあって、出場機会がないから、能力を発揮させられていないかなと。僕もそうなんですけど、3試合ぐらいあんだけ三振が続くと、やっぱ外したくなるっていうところを我慢して使った方が、そこからバッて一皮むけるのかなっていうところを今ものすごい考えていて、守備は一番うまいから。まだ我慢が足りないかなー」
―江越を覚醒させたらノーベル賞
「いや、いただくよ(笑)。しっかりいただく」
―覚醒まではもうちょっとか
「いや、まだまだでしょ。いやいやいや、去年まで1軍で戦った子がほとんどいないから、全員が覚醒でしょ。清宮くんにしたってその前の年は2軍。1軍に1回も上がっていないというところで、使い続けて一皮むけ始めてきたところでけがをして。そこら辺が皮をむけない。まあ自分のせいなんですけど、はい。万波くんだってレベルアップしてきているところで。松本(剛)くんは去年ね、首位打者取って彼は本当に一皮むけた。で、今年どうなるかっていうところ。まあジェイ(野村)にしても、全員かな。だからもう楽しみな選手しか集まっていないし、ベテラン選手がいないからね。もっともっとレベルアップさせないといけない五十幡くん、浅間くん、今川くん、矢沢くんも含め、石井くんにしても、そこでメンディ(アルカンタラ)とかも面白い選手なんですよね。そういうところはものすごく今、勝ち負け以上に毎日が楽しいです。ピッチャーに関しては建山コーチがそれを楽しみにしているし、キャッチャーは山田さんにしてもね、12球団のトップレベルに持っていくぐらいのキャッチャーを育てたいと思っているし。山田さん結構、育ててきていますよね、梅野くんにしても、嶋くんにしても、山田さんがコーチなので。そういうところの楽しさはものすごくあると思う。僕も成長しないといけない。いろんな監督のね、良いところは吸収して、また何か新しい監督像というものをつくりり上げていきたいっていうのはありますね」
―キャンプの時に阪神戦で何か仕掛けたいと
「仕掛けたかったけど、ランナーが(マルティネス)。2ランスクイズいこうと思ったけど『ムリ』って。キャンセルしたよ。スクイズ来ると思ったでしょ?そこはやめました。相手にちょっと外し気味に来られた。その後が面白いかな?と思ったりとか。計っているけど、ランナーの兼ね合いで難しい。それを無謀にやったら、ただ抜けてるってなるので。そこら辺が難しいですよね」
―監督がマウンドへ行くのは初。分岐点になる試合
「きょうは勝ちたかったね~。田中くんで行かなくてもいいシチュエーションだったけどね。きょうは勝ちたいなって。それは正義も分かっていただろうし。ランナーが出始めて表情が硬かった。プラス、ダメだった時のイメージがフワって出てきそうなタイミングで僕が行った。『真っすぐだけで良い』って思わせることが大事かなって。もう最後は真っすぐと決まっているから。それが最後の打者、ミエセスじゃなかったら違う言い方をしました」
―勝ちたかったのは阪神戦だから
「それはありますよ。タイガースに育ててもらって、そのチームを相手に僕が監督をしている。去年も思ったけど、不思議な感覚。最後に3ランを打たれて4対3になったら面白いゲーム。見たいなって。表現が難しいけど。そういうチームですね。ジャイアンツに対してもそうですね」
―岡田監督とは現役で3、4年一緒に
「僕が出てきた時に岡田さんが入れ替わりの時期だったので、気は遣います。素晴らしい監督。野球が面白いですよね」
―去年は阪神に3連敗
「あの3連敗は何とも思わなかったですよ。めちゃくちゃ面白かったでしょ。阪神戦とヤクルト戦。きょうも、ああいうゲームになって良かった、ぐらいの気持ちでやっていました。ファンの声援、盛り上がりが僕をこうさせてくれるのかな?って、しみじみ思いました」
―前夜にミスをした清水、打たれたロドリゲスを2軍に降格させた
「気を抜いたプレーが大嫌いなんですよ。タイムがかかってないのにグラブを外して。がっかりするのはその後だろ、と。他のチームは『ああいうプレーをするなよ』と伝えていると思う。山田コーチはものすごく早く球場に来て、研究をしてキャッチャーに伝えている。すごいコーチなのに、あのプレー1つで、ファイターズなんやねん?ってなるのが悲しかった。そういう選手を、メンタルの面で2軍に落としたというだけですね。あれは『ア~』っていうより、悲しさが先に立ちましたね」
―チームが引き締まった
「それはあると思います。2軍に落とされる。たぶん選手たちもあれは良くないという気持ちになった。あすは我が身じゃないけど、気を抜いたプレーはやめようというふうに思っているでしょうね。でも清水くんもこれで、もう一回ね。すごく素晴らしく、伸びそうな選手でもある。もう一回考え直してもらって、次に上がった時には自分が引っ張るっていうような気持ちに成長してくると思う。それは期待しています。あしたデーゲーム? えぇっ? 寝ましょう」