伊藤大海 反省と手応えの111球 勝ち星つかずも7回3失点と好投
■交流戦2回戦 阪神3ー4日本ハム(6月10日、エスコンフィールド北海道)
自身初の阪神戦 一、二回はパーフェクト投球
日本ハムの伊藤大海投手(25)が10日、エスコンフィールド北海道で行われた阪神戦に先発し、7回を3失点にまとめた。111球の力投を披露し、同点のまま降板。白星には恵まれなかったが、味方打線が八回に勝ち越し点を奪い、チームは2連勝となった。
プロ3年目で初めて挑んだ阪神戦。熱狂的な声援に包まれたフィールドの雰囲気は、さながらアウェーのようだった。相手の応援歌が鳴り響く中で、右腕は抜群の立ち上がりを見せた。「球自体は良かったと思う。向こうは(自分を)知らないので、思い切っていこうかなと思っていた」と一、二回は直球主体の投球で3者凡退。上々のスタートを切った。
援護直後の失点を猛省 今季初無四球には「ちょっとうれしかった」
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しかしセ・リーグ首位の強力打線は、そう簡単に勝ち星を与えてくれない。味方が得点を奪った直後の三、四回にそれぞれ失点。得点圏に走者を背負った場面で踏ん張りきれず「点を取った次の回でピシッと(抑えて)帰ってくるのは流れ的にも大事。勝負どころでのボールが、もう一工夫あっても良かったかなと思う」と課題を口にした。
一方で確かな手応えも感じ取った。この日は制球を乱す場面がほとんど見られず「そこは、ちょっとうれしかったかな」と今季初めて無四球で投球を終えた。6連戦が続くハードスケジュールの状況でイニングを稼いだ意味も大きい。「最低限、7回を投げきることは仕事かなと思う」と少しだけ表情を緩めた。
ダルがメジャー通算100勝 尊敬する大先輩の偉業に感銘
海の向こうでは、尊敬の念を抱くダルビッシュがメジャー通算100勝を達成。「これから『おめでとうございます』と一言入れようと思います。日本で野球をやる以上に神経を使う。移動とかを含めてすごく大変な中で(白星を)積み重ねた。まだまだ勝てる投手だと思いますし、僕らに進化を見せてくれるという楽しみがあります。一生、背中を追い続けたい」と憧れの人への思いを熱く語った。
球場を出る際には、打球が直撃した左足を引きずる姿も見られた。それでも、伊藤は「大丈夫だと思います」と気丈に振る舞った。より強くー。心身のタフさを身に着け、理想の存在に近づいてみせる。