《大海の部屋》vol.05 仲良し鈴木と同学年対談 〝癖が強い〟世代がぶっちゃけトーク
日本ハムの先発ローテ担う1997年生まれコンビ
日本ハム・伊藤大海投手(25)の連載手記「大海の部屋」vol.05は、同じ1997年生まれの鈴木健矢投手(25)を招いて、同学年トークを繰り広げます。2人の関係性から、お互いにすごいと思うところまで。先発ローテーションの柱を担う仲良しコンビが、息ピッタリの掛け合いを披露してくれました。
(連載手記「大海の部屋」は、北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は6月13日付の新聞に掲載します)
お互い人見知り 初対面は敬語で挨拶
伊藤(以下伊)「健矢との初対面は僕の新人合同自主トレの時かな。ちらっと鎌ケ谷に来ていたよね」
鈴木(以下鈴)「お互い人見知りだから全然しゃべらない。同い年だなと思いつつ、最初は敬語だったよね」
伊「僕はキャンプくらいまで、人見知りで誰とも話さなかった。健矢と話出したのはいつくらいだろう?」
鈴「覚えているのは、キャンプ中の夕食会場でのバーべキュー。その時、同じテーブルになって、そこから結構話すようになった。それまでは、どう距離を詰めていいか分からなかった」
ほかの誰か誘って3人で食事に行けば 「健矢さん、あざます!」
伊「サシはないけど、いまでは食事に行ったりするよね」
鈴「大海と僕と、だれか1人がセット。河野が多いよね。アイツはしゃべりが止まらない。ずっとしゃべっている」
伊「それで健矢がずっと肉を焼いてる」
鈴「普通は後輩がやるもんだけど、『健矢さん、あざます!』と皿を出してくるので。しゃべる担当が河野。大海は食べる専門だね」
伊「トング持ったことない(笑)」
肉焼き担当・鈴木「後輩歴が長いからさ」 食べる担当・伊藤「僕はずっとお山の大将」
鈴「先輩とかと連れて行ってもらったら、後輩が焼く。社会人(JX―ENEOS)の時にもやっていたから、習慣付いている。お酒をついだり。後輩歴が長いからさ」
伊「社卒って感じだよね。目上の人に対する会話もそうだし。僕はずっと、お山の大将だったから(笑)。やろうと思ったらできるけどね! 健矢とはよくご飯に行くけど、同学年会は1回もしていないね。いまチームにいるのは5人?(姫野、梅林、福田光)」
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鈴「俺が1年目のキャンプの時、ヌマ(平沼・現西武)が主催してやったけど、『2軒目行く?』となるときに各々がバラバラに…」
伊「癖、強い(笑)」
鈴「いまは幹事してくれる人がいないよね」
伊「予約してくれて、何時にここに来いと言われたら…」
鈴「行く。自分で主催して動くのはない。幹事できる人いないな。梅林は100(%)できないし…」
伊「1個上は(清水)優心さんがいる」
鈴木「そういや最近、大海のいたずらが収まった」 伊藤「フフフ」
鈴「1個上は横のつながりが強いよね。僕らはなかなか仲を深められていない。今後もたぶんやらないだろうね(笑)。そういや最近、大海のいたずらが収まった。昔はめちゃくちゃ狙われて、グローブがよくなくなっていた。サングラスないとか、スパイクの紐を結ばれたり。最近おとなしい」
伊「フフフ。いまは先発投手として、ペアというかセットで(遠征先に)移動することが多いよね。この前の帰り、飛行機で寝る前に『頭の振れ幅がすごい』と言われてたから、楽しみにしていた。そんなに振ると思っていなかったけど、舟をこいでる感じだった(笑)」
鈴「たまに起きた瞬間、首が痛い。首をやっている時あるもん。一緒に先発を回っているのは、まだ違和感しかないよ。中5日で投げたら、大海が休める。長くても五回とか六回くらいしかいけてないんで、その分、一日でも早く投げて」
下手投げで結果出す鈴木に「器用さがうらやましい。先発で回れてるのがすごい」(伊藤)
伊「僕がたぶん中5をやったら、球数的に五回もたない。80球とかで五回、六回投げているのがすごい。それも、健矢は下(手投げ)に変えて、結果を出している。サイドでスピードもあったから、もったいないなと思ったけどドハマりして。僕はこっち(オーバー)しかできないので、器用さがうらやましいよ」
鈴「サイドくらいならできるでしょ」
伊「下は全然」
鈴「僕も最初、腕が全然下がらなくて、腰の位置くらいだった。そこから下げるのは難しい」
伊「それを1年もかからず習得できたのはすごいし、何なら先発でずっと回れているのがすごい」
WBC優勝を経験した伊藤に「引け目を感じちゃうくらい実績がすごい」(鈴木)
鈴「大海だって、1年目からジャパンに入って、今年もWBC選ばれて優勝して。本当にこういう対等な関係でしゃべっていいのかなって。引け目を感じちゃうくらい実績がすごい。リリーフのときの一発で出す出力や気持ちの入り方は別人。先発、中継ぎ、抑え全部のポジションできるのはすごいし、上からすごい球種をいっぱい投げている。僕からしたら、大海の方が器用だよ。技術面で一つ盗めるとしたら、真っすぐ。150(キロ)出したい」
伊「緩急かな。奥行きを使える。僕は目線がずれちゃうので難しい。プラス、フォームも何パターンかある。クイックだったり。同じボールでも何十通りもあるので、それを真似できたら良いなって。上からだと無理ですけど」
鈴「緩急か。上では難しいけど、真っすぐもスライダーもシンカーもある程度、同じ軌道からクッとずれたりするんで、それは上では出せない特長ではあるかな。社会人では1年目から3年目まで先発、中継ぎ両方やって、4年目から中継ぎに専念した。いまは先発が楽しい」
伊「お互い頑張って、最後までローテーションを守ろう」
鈴「そうだね!」