道産子左腕・福田俊 直球破壊王子を直球で三振斬り 今季初登板で火消し成功
■交流戦3回戦 阪神1-0日本ハム(6月11日、エスコンフィールド北海道)
五回2死満塁で救援 昨季まで同僚の阪神・渡辺諒を三振斬り
日本ハムの福田俊投手(26)が11日、エスコンフィールド北海道で行われた阪神戦の五回2死満塁で救援し、今季初登板を果たした。四球すら許されない難局だったが、昨季までチームメートだった渡辺諒内野手(28)を三振斬り。けがで出遅れた道産子左腕は、シーズン60試合目でようやくスタートを切った。
「3ボールになって開き直った感じはありました」
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極限状態で登板機会が巡ってきた。1点ビハインドの五回2死満塁。先発の北山が3四球でピンチを招き、降板。後を引き継いだ。阪神ファンの応援のボルテージは最高潮。新球場の雰囲気を楽しむ余裕はなく「いきなり2アウト満塁でナベさんだったので、緊張しましたけど、3ボールになって開き直った感じはありました」と振り返った。
「直球破壊王子」の異名を持つ元同僚に対して、フォークを2球続けたが、見逃された。3球目の直球も外れて3―0。崖っぷちに追い込まれ、福田俊は小さく笑った。「めちゃくちゃテンパっていたわけじゃない。何度も3ボールになった試合がありましたし、投げやりにならず、丁寧に丁寧に一個ずつ取ろうかなと。頭の中では冷静でした」
もう、腹をくくるしかなかった。直球に絶対の自信を持つ打者に、力勝負を選択。迷いはなく「クサいところにいってボールになるよりは、バットを振らせて、何かしらの結果が出た方がいい。ホームランはダメですけど。ある程度、高さだけ間違わないように」と集中した。
最後はハーフスイングでストライク判定 「このマウンドで投げられるのは幸せ」
フルカウントから渡辺諒のハーフスイングがストライク判定となり、三振。札幌在住の両親も駆けつけた試合で、火消しに成功した。北広島の星槎道都大出身で、プロでもこの街が拠点になった。不思議な縁を感じており「素直にうれしいです。ゆかりのある地でまた野球ができて。北海道出身ですし、このマウンドで投げられるのは幸せ」と実感を込めた。
4月中旬に発症した右膝裏肉離れの影響もあり、2軍調整を続けてきたが、復活。強心臓ぶりを見せつけた5年目左腕は、どんな場面でもチームのため、仲間のために、強く腕を振る。