北照主砲・今枝が導く! 春の支部敗退から掴んだ4年前の甲子園ロード再現だ
2回戦で岩内と初戦 今月上旬には強豪・聖光学院との練習試合で手応え
全国高校野球選手権南北海道大会小樽支部の組み合わせ抽選会が15日に行われ、北照は29日の2回戦で岩内との対戦が決まった。春は支部代表決定戦で小樽双葉に敗れ4年ぶりに全道大会出場を逃した。6月3、4日には、昨夏の甲子園4強で今春の福島県大会を制した強豪・聖光学院を招いて練習試合を行い1勝1敗。春は不振だった主砲・今枝優真中堅手(3年)が目覚めの先制3点本塁打を放つなど復調の兆し。この夏3年ぶりに南大会出場枠が「1」に減った激戦区を制し、4年前の夏同様、春の雪辱から甲子園出場を成し遂げる。
福島王者・聖光学院から貴重な学びを得た。雨の中で行われた3日の第1戦は、4-10で敗戦。上林弘樹監督(43)は「攻めどころの気持ちの強さというか、迫力というか。その辺がうちと大きく違う。スクイズなんかもそうですし、バタバタっとビッグイニングをつくられる。そういう場面での勝負勘を学べたら」と、翌日の2戦目は8-5でしっかりと勝ち切った。「打つ方はまあまあなんで、あとは細かいところを夏までに仕上げる。テーマは粘り強く、泥臭く、高校生らしく」と勝負の夏を見据える。
打撃フォーム修正の今枝 第1戦で3打数1安打1打点 第2戦は先制3ラン
今枝は第1戦で「5番・中堅」で先発すると3打数1安打1打点をマーク。「秋から少し打てない時期があったけど、バッティングに関してはイチから考え直した。フォームも見直して今の自分に合っている打ち方を練習してきて、最近は少しずつ結果になって出てきている」。それまでは打席内で両足を細かく足踏みしながら投手との間合いをとっていたが、「ボールをじっくり見て、そこにしっかりとコンタクトする打ち方にした方がいい」と修正。さらに第2戦では「6番・右翼」で先発し二回の第1打席で先制の3点アーチ。最後の夏に向け、長距離砲の完全復活をアピールした。
5月には札幌稲雲、札幌新陽との練習試合で連続アーチ
メンバー落ちの危機を脱した。新チームになった秋はレギュラーだったが、春は背番号17で代打起用のみに終わっていた。上林監督は「自分、自分っていう部分が見えてきたんで。チームにとってはちょっとそれがマイナスになっていた」と説明。支部敗退後の5月27日には札幌稲雲との練習試合で待望のアーチを放つと、そこから2打席連弾。さらに翌28日の札幌新陽戦では、プロ注目の最速145キロ右腕・細野龍之介投手(3年)から柵越えの一発。「稲雲戦の前日、上林先生に『明日が鍵になるぞ』と言われていた試合だった。少し緊張感もありながら自分で考えてきたバッティングをしようと思って、それが結果になったので自信になった」。指揮官の期待に応えて見せた。
準決、決勝が行われるエスコンフィールド北海道での試合想定し イメトレもバッチリ
南北海道大会の準決勝と決勝が行われるエスコンフィールド北海道で試合をすることを思い描く。5月に野球部、男女サッカー部、スキー部のスポーツコース150人以上が合同で2泊3日の芦別合宿を行った。その帰路、野球部は2度目のエスコン見学に。前回は公式戦をスタンドで、今回はグラウンドレベルに降り立ち雰囲気を味わった。
上林監督は「すごい綺麗ですし、ワクワクする。ほんと、あそこで試合したいなっていう気持ちになりました。外野のフェンスやラバーの形状だとか実際に触ることもできた。光の入る加減や、お客さんが入った時の目線の高さとかが、ちょっとボールが見づらくなるんじゃないかなって印象があった」と細かい部分までチェックした。
外野を守る今枝も「左中間フェンスが少し出っ張っている部分があって、そこのクッションボールの対応と距離感が重要」と独特な形状をした外野フェンスを確認。さらに、外野へのゴロの勢いは「少し長め」という芝で減速することが想定されるため、外野陣がチャージすることも重要になってくるという。
すでに学校のマウンドは硬めに調整
対策も進めている。プロで使うマウンドは札幌円山などに比べて硬いため、「(同校の)ブルペン、グラウンドのマウンドはもう全部固めてる」と指揮官。「秋は札幌ドームもあるから。スピードが変わるみたいですね。踏んだ感じも違う」。地面反力の影響で球速が増しやすいといわれる硬いマウンドへ備える。
高校生エスコン第1号も個人の目標として見据える北広島市出身の今枝
今枝は北広島市出身。建設中から何度も足を運んだ憧れの舞台だ。「やっぱり地元なんで、あそこで試合をして優勝したいです」。現在、高校通算本塁打は28本。「ホームランは狙ったら打てないのは分かってますけど、やっぱり最終的にホームランになればいいかなって。しっかり振って結果がホームランになったら。エスコンの第1号は個人的な目標。だから頑張りたい」。長いトンネルを抜けた主砲が、この夏の甲子園ロードを駆け上がる。