札幌の得点力をけん引してきた小柏の離脱《平川弘のCool Eye》
筋肉系のケガであれば復帰まで1カ月以上かかると思うが…
リーグ戦の前半17試合を終了し、1桁順位の暫定8位でターンした札幌。その原動力となったのは何と言ってもリーグトップの38得点の得点力である。
その得点力をけん引してきたFW小柏がアウェー鳥栖戦(駅スタ、1△1)で故障した。多分、ハムストリングの肉離れ? なので復帰までは1カ月以上かかると思う。これまでも肉離れを繰り返してきた小柏だが、やっと好調をキープできていただけに今回の離脱は残念だ。
リーグ序盤に小柏が不在時は、MF小林を偽9番にしたり、MF浅野とMF駒井を前線に置いたりして連動性、機動力を出して凌いだが、今回はどうするのか? 幸いにもFW金健熙がケガから復帰した。前線に入れて使わざるを得ないと思うが、彼はポストプレーヤーである。
「可変式」の速い攻撃から金健熙をトップに置けば「王道の崩し」 どうバランス取る?
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これまで小柏にDFラインの裏を突かせ、広がったスペースで浅野、駒井、MF金子らが引っ掻き回す「可変式」の速い攻撃が成功していた。それが金健熙をトップに置くことで「王道の崩し」になる。トップにくさびを入れてシャドーがサポートしてボールを受け、3人目が飛び出していく連動。ペトロヴィッチ監督が札幌に植え付けて来た基本戦術だ。これまで小柏をトップに置いた可変式で攻撃に速さを出してきたが、彼がいない状況でどうバランスを取るのか注目したい。
中村のオウンゴールは仕方ない 相手2人を見る状況で ぼかし方としては正しかった
また、鳥栖戦ではDF中村が〝2ゴール〟を記録し大活躍(?) した。1点は正真正銘のゴールだが、もう1点はオウンゴールだった。DFならよくあることで、1試合にオウンゴールを含めて4点取った元日本代表DF小村(当時・横浜M)のことを思い出した。中村のオウンゴールに関しては仕方がないものだと思う。
相手2人を中村が1人で見ていた状況。結果論で言うとDFはニアを消すのが鉄則なので、内に絞るのがほんの少し遅かったことになる。そして、出した足が利き足でない右足だったことでコントロールできなかった。だが、早く絞り過ぎると背後の選手にパスを通されるので、数的不利のぼかし方としては正しかったと思う。