北海学園札幌2年生4番・林 「北海を破って甲子園へ」 高校野球札幌支部抽選会
今年は南・北大会の準決勝、決勝がエスコンで開催 24日から支部予選がスタート
この夏初めてエスコンフィールド北海道で準決勝、決勝が行われる全国高校野球選手権南・北北海道大会を懸けた戦いが、6月24日から全道各支部で開幕する。13日には南大会札幌支部の組み合わせ抽選会が同市内で行われ、春の同支部代表決定戦で北海に敗れた北海学園札幌が、30日のHブロック2回戦で札幌北と札幌山の手の勝者と対戦することが決まった。創部100周年を迎える古豪が復活ののろしを上げ、夏の頂点を狙う。
2季連続で負けた北海にリベンジ誓い 林「3年生のためにも絶対に甲子園に行きたい」
2季連続で〝兄貴に敗れた弟〟がリベンジに燃えている。1年秋から北海学園札幌の4番を担う林琉葵(るき、2年)は、「3年生が最後なんで、4番という責任は大きい。3年生のためにも絶対に甲子園に行きたい。どうせなら、北海を破って甲子園へ」。同じ敷地内で校舎は隣合わせ。登下校時には校名の入ったスポーツバッグを持ってすれ違うことも日常茶飯事。支部ではブロックが違うため対戦はないが、頂点を極めるには避けて通れない対決へ向け、意気込んだ。
敗れはしたが確実に前進した。昨秋は支部準決勝で北海と当たり1-11で七回コールド負け。春の代表決定戦では3季通じて5年連続で北海と対戦となった。林は「秋の大会では、自分たちがボコボコにコールド負けしたので、守りに入らないで自分たちの野球をやる、攻めの姿勢で戦うって、強い気持ち持って入るようにしました」と、12年ぶりの全道切符を懸けて挑んだ。
試合は、四回までに2点を失ったが、打線が五、六回に1点ずつを返し、一時同点とした。八回に2点勝ち越されたが、林が北海・長内から1点差に追い上げる意地の一発。九回に6-3と突き放されたが、春の全道を制した北海投手陣から、林が唯一の本塁打をマーク。打率は4試合で15打数8安打の5割超えと2年生ながら打線をけん引する。また、昨秋の大会後に一塁から二塁に転向した守備でも好守を連発。「バッティングでも守備の面でも成長を感じ取れた」と、手応えを感じて夏に向かう。
秋場監督は高校日本代表時代の米国遠征先で幼少時のヌートバーと出会う
秋場拓也監督(35)は3月上旬に今季のスローガンを「戦う集団 熱い気持ち」に決定した。指揮官は日大山形高時代に、捕手として県勢初の甲子園8強入り。高校日本代表として、米国遠征に帯同した。遠征中、カリフォルニア州でのチームメートのホームステイ先の家にいたのが、幼少期のラーズ・ヌートバー選手(カージナルス)だった。
部員にWBCの勇姿を見せ チームスローガン「戦う集団 熱い気持ち」の思い重ねる
3月のWBCでは、大きく成長したヌートバーが日本の優勝に大きく貢献。テレビ観戦した秋場監督は「WBCに出るような選手が、バットを短く持ったり、セーフティーバントをやったり。まさにプロを体現していた」。スローガンに重なる侍ジャパンの観戦を部員たちに推奨。さらに高校の後輩、阪神の中野拓夢内野手(26)が出場していこともあって「例年になく、こみ上げるものがありましたね」。2020年秋の監督就任後、まずは初の南北海道大会進出へ、熱き指揮官が勝利のタクトを振るう。
札幌支部予選の組み合わせは北海道高校野球連盟のホームページにあるトーナメントシートで