冬季スポーツ
2021/10/20 14:44

下川商高1年坂野 スキージャンプ・全日本選手権で「もっと上を」

宮の森競技場で行われている合宿で大ジャンプを披露する坂野

 ノルディックスキー・ジャンプの冬季シーズン開幕戦となる全日本選手権が22日、札幌・宮の森ジャンプ競技場でスタートする。昨季、高校生以下の「少年の部」でタイトルを総ナメにした札幌出身の坂野旭飛(下川商高1年)が2年ぶりに出場する。札幌市が招致を進める2030年冬季五輪への出場も見据えるホープがさらなる飛躍を期す。

昨季ジュニア全勝の2世選手

 昨季、ジュニアで10戦全勝を誇った坂野が自身2年ぶりとなる大舞台に挑む。今季、飛び級で全日本スキー連盟のU20強化指定選手に選出された。全日本選手権に向け「やらなければいけないことを確認して臨む。緊張で思うように飛べないことがあるので楽しんでジャンプしたい」と意気込んだ。
 親子鷹だ。父は元雪印の選手で現コーチの幸夫さん(45)。父の影響で札幌栄南小2年時に札幌ジャンプ少年団で競技を始めた。「ジャンプに真剣に打ち込める環境が整っている。寮生活で自立した生活を」と地元を離れ、下川商高へ進んだ。
 少年団時代は週末のみの練習だったが、高校進学後は毎日2時間半は筋トレなどで土台づくりに励んでいる。親元を離れての生活にも「慣れました。でも洗濯を忘れ、とんでもない量になることもある。今までやってくれていたお母さんに感謝です」と頭をかいた。
 今夏のサマージャンプ大会では少年の部で2勝。すでにジュニアの枠を超越しているが、一般大会では「31位が2回あってポイントが取れなかった」。まだまだ進化の途中にある。
 憧れは2014年ソチ冬季五輪で団体銅メダルに輝いた伊東大貴(35、雪印メグミルク)だ。「飛型がきれい」と坂野。自らの飛型にも自信を持っているが、「アプローチとテークオフが、まだバラバラ」と課題も把握できている。
 札幌市も誘致に名乗りを上げている30年冬季五輪への出場も見据える。「来季には(W杯下部の)コンチネンタル杯に出て次の年にW杯。高校卒業後は企業に入ってもっともっと上を目指す」。期待の16歳が上昇カーブを描きながら、その名の通り“飛”び続ける。

初出場下川中西田「30位以内に」

 今大会の最年少出場は西田蓮太郎(下川中3年)。160センチ、50・3キロと小柄ながら、今年3月の全日本ジュニア選手権で全体18位。中学2年ではトップとなった。今月9日に秋田・鹿角で行われたサマー大会では一般に混じって24位。高校生以下では2番手だった。初出場の全日本選手権へ「今、調子が良いまま来ている。30番以内を狙っていきたい」と意欲を見せた。

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