清水 降格後初打席でソロアーチ 松本剛からの愛ある言葉に支えられた
■ルートインBCリーグ交流戦 日本ハム6ー2BCリーグ選抜(6月14日、鎌ケ谷スタジアム)
六回から「4番・一塁」で途中出場 七回の第1打席で左越え本塁打
出直しの一発だ。日本ハムの清水優心捕手(27)が14日、BCリーグ選抜との交流戦(2軍)に六回から「4番・一塁」で途中出場し、七回2死の第1打席で左越えソロを放った。9日に2軍降格後、最初の打席で快音を響かせ「休みも挟んで、しっかり準備して打席に入ることができた。切り替えもできていた。調子も体の状態も悪くない。結果を残さないといけないと思うので、しっかりやっていきたい」と力を込めた。
8日の広島戦でボーンヘッド 翌日に即2軍降格
8日の広島戦(エスコンフィールド)で、インプレー中にミットを外したミスが失点につながり、首脳陣の逆鱗(げきりん)に触れた。翌9日に即、出場選手登録抹消。SNSなどを通して、多くの批判的な声も届いた。「自分が悪い。プロである以上、当たり前のこと。自分がやってしまったことはダメでしたし、技術以外の問題。直せることなので、また一からやっていく」と受け止めた。
折れそうになる心を支えた松本剛からのエールとは
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気持ちの支えになったのは、「年始も一緒に練習させてもらったし、ご飯にも連れて行ってもらったり、良くしてもらっている」と慕う先輩からの言葉だった。「(松本)剛さんが、(2軍に)落ちる時にいろいろ声をかけてくれた。『気持ちは分かる。こればっかりはもうしょうがないし、ファームでやるからっていって、ファームの雰囲気にのまれてやるようじゃ上がれない。自分がやることをしっかりやらないと、見ている人は見ているよ』っていう感じで話してくれた。実際、剛さんは去年すごくて今は主軸ですけど、3、4年前は苦しい時期を過ごしている。それを見ていたし、その時から自分のやることをしっかりやっていた。そういう人からの言葉だったので、またこっちに来てからも、切り替えて頑張れているなっていうのはありますね」と感謝する。
今まで以上に周囲を鼓舞 松本剛のアドバイスに感銘
鎌ケ谷に来てからは一切、落ち込んでいる姿を周囲に見せなかった。大きな声で練習を盛り上げ、ファンには笑顔でサインした。そこにも、松本剛からの助言が影響していた。
「剛さんからは『自分が負のオーラを出して、切り替えられていない姿を見せたら、みんなが気を使う。特に(2軍に)落ちてきて最初の1週間はどういう感じなのかみんなが見ている。良い意味で楽しんで、笑顔で。また(1軍に)帰ってくるのを待ってる』って、そういう話もしてもらった。シュンとしている暗い人には誰も近寄らないと思うし、そういうのは言ってもらって、そうだよなと思って、うまく切り替えられていると思う」
心機一転で目指す再昇格 「しっかり、やることをやる」
2度と同じ失敗をしないことは大切だが、いつまでも引きずる必要はない。汚名返上のための時間は、まだ十分に残されている。
「映像でもいろんな人が見ているし、絶対に隙がないように。自分は隙がありましたけど、1軍では隙がないのは当たり前。こっち(2軍)に来たら雰囲気も、なあなあになるところが絶対にあるので、そういうところでも確実に隙がないようにやらないといけない。きょう一日は良かったですけど、また週末から公式戦が始まるので、そこでも継続していく。今、2軍は人数が少ないので、いろいろなところを守ったりして、試合出場が増える。それでも、なあなあでやらずに一試合一試合集中することが今やれることだと思う。しっかり、やることをやります」と意気込んだ。
持ち前の笑顔を絶やすことなく全力プレーを続けた先に、再び晴れ舞台が待っている。