万波〝ハマスタ〟凱旋弾! シンプル思考でバウアー撃ち「真っすぐでやられるのだけは嫌だった」
■交流戦2回戦 日本ハム1ー2DeNA(6月14日、横浜スタジアム)
左翼スタンドへ豪快弾 サイ・ヤング賞右腕の154キロ捉えた
ハマスタ凱旋弾! 日本ハムの万波中正外野手(23)が14日、横浜スタジアムで行われたDeNA戦に「4番・右翼」で先発出場。七回の第3打席で相手先発・バウアーの154キロ直球を捉え、左翼席へ豪快な一発を放った。パ・リーグトップの12号ソロを「高かったので、気持ちこすったかなという感じ。でも打った瞬間に手応えは十分でした」と充実の表情で振り返った。
メジャー時代にサイ・ヤング賞を受賞した豪腕との対決。メジャー好きの万波にとって胸高鳴るシチュエーションと思われたが、試合前は「前までは楽しみにしていたけど、今はそんなコンディションじゃない。何とかヒットを一本出したい気持ちだけです」と少しだけ弱音を吐いていた。
戦前まで12打数無安打の7三振 直球に狙いを定め12号ソロ
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それものそのはず。直近3試合は12打数ノーヒット、7三振。5月度の月間MVPを獲得した勢いを完全に失っていた。不振にあえぐ中で、たどり着いたのはシンプルな思考だ。本塁打の打席は追い込まれた状況だったが、変化球を捨て、直球一本に狙いを絞っていた。
「自分の感覚もここ数試合は良くなかったので、何か一つやることを決めようと思っていた。真っすぐでやられるのだけは嫌だった。あとは来た球に対して反応で頑張ろうという意識で打席に立っていた」。良い意味での割り切りが最高の結果につながった。
思い出の地で、同級生の前で 「何とも言えないですよね」
名門・横浜高出身。青春時代の思い出が詰まった球場で、復活の号砲を打ち鳴らした。横浜スタジアムでは、1年夏の神奈川県大会で推定飛距離135メートルのバックスクリーン直撃弾を放っている。自らの名前を全国に広めた場所で、再び記憶に残るアーチを描いた。
「きょうは数人ですけど、後輩や同級生が来ていました。何とも言えないですよね。みんな横浜ファンなので(笑)。勝ちたかったですけど、ホームランを見せられてよかったかな」
敗戦の中にも光り輝く一打 チームとともに次戦からの再出発を期す
メジャーでトップクラスの実力を示した豪腕との対決は、刺激に満ちあふれていた。「やっぱりコントロールが良い。曲がり球を、振りたくなってしまう高さに投げてくるんですよ。その技術もすごいなって思いました」。ビッグネームが相手でも、その実力は十分に通用する。ファイターズの未来を担う若き大砲が、連敗中のチームに力強く光を照らした。