巨人・鍵谷の大親友 FW牛来がレッドイーグルス北海道に移籍 背番号は「30」
苫小牧市内で加入会見
アジアリーグアイスホッケーのレッドイーグルス北海道が6月15日、新シーズンへ向け移籍加入会見を苫小牧市内で行った。昨季まで栃木日光アイスバックスでプレーした道産子FW・牛来拓都(32)と元日本代表GK井上光明(36)のベテラン2人が加わる。チームは今季、荻野順二コーチ(44)が監督に昇格。新チームは19日から陸上トレーニングを開始し7月から氷に乗る予定。リーグ王座奪回と全日本選手権の2冠獲得を目指す。
札幌出身、北海高―明大―栃木日光アイスバックス
札幌出身の牛来がキャリア初の地元チームでプレーする。「目立ったシュート力があるわけでもなく、スピードが特に速いわけでもなく、すごい目立つ選手ではないんですが、セット、ラインメイトを生かせるようなプレーをしたい。パックキープ力と味方へつなぐパス、縁の下の力持ちというか、いぶし銀な玄人受けするプレーが持ち味。リーグ戦40試合で30ポイントは達成したい」と意気込んだ。
荻野監督評「周りを生かせるプレーヤー」
荻野監督は、牛来獲得の理由を「形に現れないプレー、周りを生かせるプレーヤーは今までのイーグルスにはなかなかいない存在だった。全日本選手権とリーグを獲っていく上で必要」とチーム内の化学反応を期待している。
元クレインズ春田、巨人鍵谷と揃えた、こだわりの背番号
牛来の背番号は、アイスバックスで背負い続けてきた「30」。明大卒業時、北海高の同期で元日本製紙クレインズ(現・ひがし北海道クレインズ)FW春田啓和(32)、さらにプロ野球・日本ハム入りした鍵谷陽平投手(32)と背番号を揃えた。春田は引退したが、鍵谷は巨人に移籍した19年こそ「32」だったが、シーズオフに再び「30」に変更。「特にその時に会話はしてないんですが、自分自身も移籍したからといって背番号を変える意識はなかった」と牛来。隣に座る指揮官を意識したのか「荻野監督の元々の背番号でもあったので」と付け加えると、すぐに指揮官から「いつ来るのかなってずっと待ってた」と突っ込まれ、「それが1番。2番目が高校の同級生」と会場を沸かせた。
鍵谷から「おじさんたち、まだまだもっとがんばりましょう」
ここ数年は引退を視野に入れていたという。「オフシーズンになって、これからの人生のこととか色々考えた上で、イーグルスからオファーをいいただいた。10年間、アジアリーグ優勝を目標にしてやってきたけど、結局最後まで手が届かずにこのまま終わってしまうのも悔いが残る。優勝を一番狙える一番近いところにいるイーグルスの一員となって優勝にぜひ貢献したいと、またプレーすることを決めました」。今回の移籍が決まり北海高同期のグループラインで知らせると、すぐに鍵谷から「おじさんたち、まだまだもっとがんばりましょう」と返信が届いたそう。
クレインズの選手らにエール
9月のアジアリーグ開幕へ向け、同じ氷都として長年しのぎを削ってきた釧路を本拠地とするクレインズが揺れている。釧路芦野小2年で競技を始めた牛来は「チーム数が減ってしまうのは試合数も減ってしまうってこと。それは避けたいし、一緒に戦ってきたクレインズの選手たちが安心してプレーできるのが一番だと思うので、その方向に進むのを願っています」とエールを送った。
「(地元で)自分のプレーを見せることができるのはすごい嬉しい」
リーグ戦は40試合を予定。札幌でも6試合が組まれている。「苫小牧とか札幌とかで試合する機会がプロ10年間でそんなに多くなかった。札幌の知り合いとかお世話になった方とか家族、友人に自分のプレーを見せることができるのはすごい嬉しい」。背番号30が新天地で自身初のタイトル取りに挑む。
国際経験豊富、元日本代表GK井上も加入
牛来と共にアイスバックスから移籍してきたGK井上は、トップリーグ出場通算300試合を超える大ベテラン。キャリアの前半は中国や韓国でプレーするなど国際経験が豊富だ。「レッドイーグルス北海道で戦えることを本当に嬉しく思いますし、私自身、この年齢で新しい挑戦ができるところ楽しみにしています。身長がすごく小さい方(172センチ)なので、的確なポジショニングであったりサイズがハンデとして見られないようなプレーが自分のセールスポイントです」と活躍を誓った。