東京から留萌へ卓球留学 松元菜音(留萌高1年)が単複団体で全国切符【全道高校卓球】
ダブルス優勝、シングルス3位、団体準優勝
全道高校卓球が6月16日まで行われ、女子の部で松元菜音(留萌1年)がダブルス優勝、シングルス3位、団体準優勝の原動力となり、3種目全てで7月9日から札幌で開催されるインターハイに初出場する快挙を成し遂げた。松元は昨季のU15ナショナルチームのメンバーで2021年に東京から卓球留学。4人の1年生軍団の先頭に立ち快挙達成を果たした。
松元がコートで力強く躍動した。最終日の女子シングルスは、準決勝で昨年個人2冠の岡るる(札幌大谷3年)にフルセットの末に敗れたが最後まで食い下がった。持ち味のフォアハンドからラリーに持ち込む勝ちパターンが精度を欠き「全体的に良くなかった。相手がどんな攻め方をしてきても返せるように、インターハイまでにもっと色んなレシーブをできるようになりたい」と修正を誓った。
留萌市の「卓球を通じたまち作り」で強化
恩師も目を細めた。松下監督は協和発酵キリンで2年連続日本一のメンバー。21年に留萌市が「卓球を通じたまち作り」を目的にVICTAS社と包括連携協定を結び、同社社員で現役時代に協和発酵キリンで日本一の経験がある松下監督を指導者として派遣。留萌高や地元のクラブチームを指導する。
中学2年時に大阪から移住
松元は東京で小学時代に松下監督の指導を受けていた。中学は大阪の貝塚二中に進み、翌春の全国中学選抜大会で女子団体優勝メンバーになったが自主退学。一時は競技への熱が下がりかけた時期もあったが、かつての恩師が留萌で指導すると知り21年7月に東京から900キロ以上離れた北の大地に母と卓球留学した。
土肥は旭川、山田は門別、蜷川は根室から留萌へ
昨年は全道中学でシングルス優勝。23年1月の全日本選手権でシニアデビューを果たした。将来は「世界で勝てたらいいな」と大志を抱く。3人の1年生も粒揃いだ。土肥千依菜は旭川、山田杏璃は門別、蜷川采珠は根室から、それぞれ松下監督の指導を受けるために留萌に集結した。指揮官は今大会の快進撃を「あまり褒めたくはないが、褒めざるを得ない。特にダブルスは優勝するとは思わなかった。ペアを組んだことも少なかった」と、松元と土肥ペアの急成長を賞賛した。
わずか2年で強豪高に育て上げた松下監督
卓球王国を目指す-。松下監督を指導者として招聘する際、そう語った留萌市関係者の話は本気だった。わずか2年で道内屈指の強豪高に成長。インターハイへ向け「団体も出られるので4人のベースを底上げしていかないと。地域の方々も応援してくれる。せっかく36年ぶりに北海道で開催されるので、いいパフォーマンスができるようにしたい」(松下監督)。松元も「3種目全てで優勝できたらいい」とキッパリ。全国に留萌の存在を示していく。