札幌GK具聖潤「今年は必ずタイトルを取りたい」 サポーターと共に磐田戦完封目指す
■6月17日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
2019年ルヴァン杯決勝、あと一歩まで迫ったタイトル
北海道コンサドーレ札幌はルヴァン杯磐田戦(札幌ドーム、18時キックオフ)を翌日に控えた17日、戦術練習などで最終調整を行った。磐田戦での先発出場が濃厚なGK具聖潤(28)。2019年に足を踏み入れたルヴァン杯決勝戦のピッチに再び舞い戻るため、札幌ゴール前に立ちはだかって磐田の攻撃をシャットアウトし2年ぶりのプライムステージ進出を勝ち取る。
19年10月26日、埼玉スタジアム2002。クラブ創設24年目にしてついにルヴァン杯決勝戦の舞台にたどり着いた札幌は、初タイトルをつかみ取るべく川崎との一戦に臨んだ。延長戦まで計120分を戦って3-3の同点。PK戦までもつれ込んだ激闘の末、あと一歩のところで涙をのみ準優勝に終わった。その一戦で最後まで札幌のゴールマウスを守っていた具聖潤は「プロになってから決勝の舞台に立ったのは初めて。初の決勝で準優勝は残念でした」と当時を振り返る。
コロナ禍の中、兵役のため札幌を離れる
雪辱を果たすべく臨んだ翌20年はグループステージ初戦のアウェー鳥栖戦(2月16日、駅スタ)にフル出場。3-0の完封勝利に貢献し幸先のいいスタートを切ったはずだった。だがその後、新型コロナウイルス拡大の影響でJリーグはルヴァン杯を含む公式戦の中断に追い込まれた。再開の見通しが立たない中、具聖潤は母国の兵役に就くため当初の予定を前倒しし同年5月に札幌を退団した。
あれから3年。昨秋再び札幌に戻ってきた具聖潤は今季のルヴァン杯は2試合に出場し共に勝利に導いた。「今年は必ずタイトルを取りたい」。今度こそ優勝カップを手にしたいとの思いを強く抱く。
「ファンから『おかえり』という言葉を聞くと本当にうれしい」
その具聖潤への強い追い風となっているのが、共にここまで歩んできたサポーターの応援だ。今週14日からチームは約3年半ぶりに練習後のファンサービスを再開。19年末まで日常的だった光景がまた宮の沢に戻ってきた。「うれしいですね、3年ぶりで。サインを書いているときもファンの方々からの『おかえり』という言葉を聞くと本当にうれしいです。待ってくれている人がいたんだなという思いで幸せです。選手として一人の人間として本当にハッピーなことですね」。しばしの別れを告げたときはサポーターは練習見学すらできない状況だった。そして戻ってきたふれあいの時間。喜びをかみしめるように具聖潤はファンサービスを行っている。
「クリーンシートで抑えれば負けることはない」
札幌は磐田戦を引き分け以上でプライムステージ進出が決定するが、具聖潤が目指すのは勝利のみだ。「絶対勝たなきゃいけない試合。全力でやるしかないと思っていますし、クリーンシート(0点)で自分が抑えられれば負けることはないので。明日の試合で勝利できるように頑張っていきたいと思います」。チームメート、スタッフ、そしてサポーター。札幌に関わる全ての人々と共にもう一度大舞台へ歩みを進め今度こそ栄光をつかむため、背番号25が磐田の攻撃を封じ込める。