伊藤大海 快音の裏に清宮のアドバイス
■交流戦2回戦 日本ハム6-3中日(6月17日、バンテリンドームナゴヤ)
「点を取られていたので何とか食らいつこうと。昔からレフト方向の打球が伸びる」
日本ハムの伊藤大海投手(25)が17日、中日との交流戦に先発し、7回3失点で3勝目を手にした。三回まで毎回失点を喫するも、後半は立ち直り相手打線を寄せ付けず。さらにはプロ初安打&初打点も記録し「ふがいない立ち上がりと、二回、三回と点を取られていたので、何とか食らいつこうと思って打席に入って、ヒットになって良かったです。きょうの試合の中でもすごい大事なポイントだった。そこで結果を出せたのでうれしかった。昔からレフト方向の打球が伸びるのはあったんですけど、いい感じで捉えられて良かったかなと思います」とうなずいた。
新庄監督「伊藤くんの打球よ。江越くん、教わった方がいいね」
バッター顔負けの一振りだ。3点を追う五回2死一塁で打席に立ち、カウント1-0から、左腕・松葉の127キロを捉えた。打球は逆方向にグングン伸びて、左中間を突破。一走の伏見が生還すると、二塁上で手を叩き喜びを表現した。新庄監督は「伊藤くんの打球よ。江越くん、教わった方がいいね。すごい打球。あの1点で乗れましたね。すごいね。いきなり立って芯に当てられることが」と手放しで絶賛した。
打席に入る前 後輩スラッガーから狙い所の助言 両親へ渡す記念球も清宮が回収
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打席に入る前には、清宮からアドバイスをもらっていた。「高め高めって、ずっと(狙いを)高めに置いておけよということを言ってくれた。ちょっと振り遅れている部分はあったので、(バットをボールに)かぶせるじゃないですけど、上からいくような形で」。後輩スラッガーからの助言を生かし、敵地に快音を響かせた。記念のボールは、ベンチで清宮が回収。受け取った右腕は「両親がすごく昔から僕のバッティングを楽しみに見てくれていたので、両親にあげられたらなと思います」と優しく笑った。
「途中で腕の振りが背負っている感じだったことに気づけたのは良かった」
〝本業〟では立ち上がりこそ不安定だったが、尻上がりに調子を上げチームを勝利に導いた。「序盤は真っすぐで押したい気持ちと、体がうまくマッチしてこない感じで、ちょっとばらつきがあって、ストライクを取りにいった球を痛打されるというのが続いてしまった。途中で腕の振りが、ちょっと背負っているような感じだったことに気づけたのは良かった。そこから良い感じにまとまってきた」。3点を先行された三回裏終了後には、ベンチで捕手の伏見と〝緊急ミーティング〟を実施。「もうちょっとシンプルにいこうかと、寅威さんから話してもらって、そこからちょっと力みも取れた」と軌道修正に成功した。
目指すレベルが高いだけに、4試合ぶりの白星にも満足はできない。「ああいう序盤の入り方を見ていると、いつ崩れるんだろうと、ベンチは不安になる。序盤何もなくあそこ(七回)までいけていたら、もう1、2イニングってなったと思うので、そういうところの信頼はまだまだかなと思います。3点取られてやっぱりいい気分ではない。(チームメートに)助けられたなという感じ」と反省を口にした。「でも後半はちょっといい部分も出たので、またそれを次回につなげられたら」と伊藤。次回は投手1本で、圧巻の快投を披露してみせる。