マルティネス 古巣に感謝の逆転3ラン 64試合目でキャリアハイ9号
■交流戦2回戦 日本ハム6-3中日(6月17日、バンテリンドームナゴヤ)
5年間在籍した中日の本拠地で値千金弾 試合後のヒーローインタビューで関係者に感謝
古巣に恩返し弾だ。日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(27)が17日、バンテリンドームで行われた中日戦の六回に値千金の逆転3ランを放った。2点を追った1死一、二塁で右翼席へ、キャリアハイの第9号アーチ。試合後、ヒーローインタビューに登場し「ドラゴンズのトレーナー、コーチがいたからこそ、今、素晴らしいプレーができている」と感謝を口にした。
5年間在籍した中日の本拠地で、圧倒的な存在感を示した。六回のチャンスでは「練習中のライブBPでもなかなか打てない。ストレートの信頼度が高い投手」とインプットされていた藤嶋と対戦。追い込まれた後、ボール気味の高め直球に反応した。打球は放物線を描き、右翼席まで到達。中日ファンの悲鳴と左翼に陣取ったファイターズファンの歓声が交錯した。2点差をひっくり返す劇弾に、新庄監督は「あっち向いてほい打法…に見えないですか? でもしっかり右に引っ張れているんですよね。素晴らしかった」と目を見張った。
いつもの喜びポーズは封印 「自分なりの敬意の払い方だった」
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ダイヤモンドを一周し、ゆっくりとベンチに戻るマルティネス。いつもは、両手を掲げて頭上でハートを作り、仲間と一緒に喜びを表現するが、この日は恒例のポーズを封印した。試合後、その理由について「移籍してからもドラゴンズファンからたびたびメッセージいただくことがあった。そういう人たちの前で打った後にポーズをしたくなかった。自分なりの敬意の払い方だった」と説明。恩を忘れず、礼節を重んじた。
球団はもともと、マルティネスの打力を高く評価していた。日本の野球に適応できる右の長距離砲は貴重だ。昨オフに中日を退団となり、本人の意向を調査。捕手として出場機会を求めていることを察知した。投手との綿密なコミュニケーションが必要なポジションで、言語の違いを含めてハードルが高いとみる向きもあったが、オファーを決断。新庄監督も「おもしろい」と猛プッシュしていた。
フロントの期待通り、マルティネスはマスクをかぶりながら、打線の核として機能している。本塁打数は64試合目で昨季の8本を超えた。縁あって北海道にやってきた男が新天地で躍進。補強の成果は、はっきりと表れている。