道勢100勝へ 滝川西高出身の北ガス・鈴木が王子・高島との同期対決に意欲【都市対抗】
夏の甲子園で投手リレー組んだ2人が 7月19日の1回戦で激突
3年連続で都市対抗野球(7月14日開幕)に出場する北海道ガスが、19日に行われる王子(愛知・春日井市)との1回戦で2年連続の初戦突破と、北海道勢100勝目に挑む。相手の150キロ右腕・高島泰都投手(23)は、北海道ガスの3枚看板の1人、鈴木愛斗投手(24)と滝川西高時代のチームメート。2017年、夏の甲子園で投手リレーを組んだ2人が、今度は互いの所属先の勝利を懸けて、東京ドームのマウンドで激突する。
対戦が決まった瞬間 鈴木が高島に電話 「まさか当たるとは思わなかった」
6月16日に行われた組み合わせ抽選会。最終グループで予備抽選でも最後となった北海道ガスの対戦カードは、最後まで空いていた王子に決まった。「決まった瞬間に高島に電話をしたんですけど『まさか当たるとは思わなかったね』っていう話はしました。『先発でしょ』みたいな話をしながら、俺も『先発できたらいいね』って感じで話しました。こういう巡り合わせはめったにないことなんで、楽しみたいですね」と対戦を心待ちにしている。
鈴木は高校卒業後 堀田主将と北ガスの創部メンバーに 高島は大学経由で社会人の王子へ
数奇な運命で2人の野球人生が再び交わる。滝川西高時代は、鈴木が絶対エース。夏の甲子園1回戦・仙台育英戦では、鈴木が先発も5回7失点。六回からは高島にマウンドを預けた。最終的に3-15で敗れたが、常に全力疾走する姿は4万7000人のスタンドを大いに湧かせた。甲子園初勝利には届かなかったが、卒業後、鈴木は同期で主将を務めた堀田將人内野手(24)と、北海道ガスの創部メンバーに、高島は明大で準硬式野球部に進むなど進路は分かれた。すると高島は準硬式で150キロをマークするまでに成長。4年時にはプロ志望届を提出したが、惜しくも指名漏れし、社会人の王子に進んだ。「滝西(出身者)はそんなに長く、大学に行って、社会人でやっているような学校でもなかったんで。僕と堀田しかいなかったので、一緒の仲間ができて嬉しかった」と、遠く離れた地で活躍する同期の存在を喜んでいた。
伏線は昨年秋の日本選手権にもあった。王子と道代表の航空自衛隊千歳が対戦したときのことだ。北海道で何度も対戦している鈴木は、高島に空自千歳打線の情報を「だいたいこんな感じだよ」と伝達。高島はそれを参考に8回1安打1失点10奪三振に抑えて勝利。「高校の時は、ほんとに真っすぐとスライダーしか投げられなかった。そこから球種も増えて、準硬で活躍してるのは知っていた。もしかしたら硬式に行くかもって話もしてたんで。でも、あそこまで活躍するとは思わなかった」。今度は塩を送ることはない。逆に「どんどん(高島の)情報を言っていきたい」と、チームとして対策を練っていく。
鈴木「まずは100勝できるように。チーム全員で勝っていけたら」
都市対抗では3年連続の登板チャンス。「まずは100勝できるように、しっかり自分のピッチングをして、アウト一つ一つを丁寧に取っていきたい。去年の東芝戦のような感じで、ピッチャーみんなで抑えて、チーム全員で勝っていけたら」。2人が最後に会ったのは、昨年末の高校同期会だが、思い出にふけることなく、チームの勝利に全てを注ぐ。