《岩本勉のガン流F論》打者ではなく打線と向き合う北山。先発らしくなってきた
■交流戦3回戦 日本ハム4ー0中日(6月18日、バンテリンドームナゴヤ)
巧みだった後続を計算に入れた投球のコーディネート
何と言っても、この試合は北山に尽きる。実に先発らしくなってきた。時折、見せていたリリーフ投手のようなパワーピッチングがなくなった。力を抜き、対打者ではなく、打線と向き合えている姿が、そこにはあった。
打線と向き合うとは、どういうことか。カウントを悪くしても後続を計算に入れたコーディネートができているということ。たとえボールが先行しても、次の打者で打ち取れる算段があれば、思い切って〝くさいところ〟を攻めることができる。
カーブを重要球に このスタイル、誰かに似てきてやしないか!?
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
縦のカーブを重要球種にできていたのも大きい。これまでは見せ球に使うことが多かった。この日は勝負球にもでき、投げ分けが巧みだった。となると、フォークが効き、高めのストレートも生き、カットボールやスライダーも引き立つ。
このスタイル。気付けば、上沢に似てきてやしないか!? 身近に参考にすべき好投手が存在する。それこそがチーム内相乗効果だろう。
筋疲労も最小限 プラスに様変わりしている北山
おそらく筋力的な疲労も感じていないはずだ。パワーピッチングが入ってくると、前腕など、どこか1カ所が強く張ってしまう。必要以上に力むから当然だ。それがなりを潜めた。総合的な疲労を取り、しっかりと次回登板へ、照準を合わせていけるだろう。
今回は104球。前回は108球。今後は、球数にとらわれず、イニング優先で投げられるようにもなってくる。北山はシーズンを通して、プラスの方向へと様変わりしている。
好調を維持する万波&マルティネス 野村と清宮に期待
打線は万波、マルティネスが好調を維持し、引っ張っている。ただ、このまま順調に歩ませてはくれないのがプロ野球。相手も対策を講じてくる。彼らが徹底マークされればされるほど、前後を打つバッターが重要になってくる。ジェイ(野村)や清宮。特に期待したい。