北山 五回までパーフェクト投球で4勝目 「ほぼ無理な目標」立てた鎌ケ谷の夜
■交流戦3回戦 日本ハム4ー0中日(6月18日、バンテリンドームナゴヤ)
七回途中1安打無失点 キャリアハイの4勝目ゲット
日本ハムの北山亘基投手(24)が18日、中日戦に先発し、6回⅔を1安打無失点でキャリアハイの4勝目を挙げた。多くの場面で力感を全力の8割程度に抑え、課題だった制球力を改善。四球を2つにとどめた。
「ギア上げるところは上げて、コントロールが必要なところは7、8割でっていうのが、一番良かった。自分の場合は力んでも良いことがない。力感なく投げてストライクゾーンにしっかり質の良いボールが行けば、抑えられる確率がすごく上がる。そういう自分の考えの中で、入りから落ち着いてテンポ良く投げられた」と手応えを口にした。
無欲の投球で5回完全 「ゼロで抑えることを考えて」
圧巻だった。五回までは一人の走者も許さない完全投球。それでも「ラッキーな当たり、(野手の)正面に飛んでいる打球もあったので、そこはあんまり気にせず、ゼロで抑えることを考えて投げていました」と無欲だった。
六回、先頭の石橋に中前打を浴びても「ランナー一塁だなと(笑)。もともと、そんな(完全試合)できるつもりはないので。しっかり切り替えて、ランナーがいる時のピッチングをしようと思っていました」と冷静さは失わず。七回2死一塁で河野にバトンを託すまで、ホームを死守し続けた。
先発調整のため一時、鎌ケ谷へ 今季目標を10勝に設定
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立てた誓いに、着々と近づいている。開幕後に先発転向が決まり、1軍を離れて鎌ケ谷に移動した日の夜。右腕は今季の目標を定めた。「ほぼ無理な目標にしようと思って、10勝に決めました。ローテで回ることができたら、間に合う。防御率は2点台を目指して。大それたことも言いつつ、やることもしっかりやろうと思います」。まだプロで本格的な先発を経験していない段階で、自身に高いハードルを課した。
今季初先発した5月4日の西武戦から、わずか1カ月半ですでに4勝をマークした。現時点では「勝ちがつくのは良いことですけど、運も流れもあって僕一人の力でできる要素ばっかりではない。防御率だったり、イニングをどれだけ投げられたかを重視している」と、白星にこだわらない。
新庄監督も高評価 「2桁勝てる投手になる可能性は大」
だが、「ほぼ無理な目標」は実現の可能性を帯びてきている。この日の投球を見守った新庄監督も「初回からたぶん、8割くらいの力で、コントロールを意識して投げていたと思う。十分ですよね、あれで。あれを続けてもらったら、2桁は勝てる投手になる可能性は大」と期待を寄せた。
父の日に最高のプレゼント 両親の前で快投4勝
初めて名古屋で登板した右腕。スタンドには京都から両親が訪れていた。登板日と父の日が重なり「来てくれていたので、投げているところを見てもらえて良かった。父にはすごくよくしてもらって、育ててもらった。小さい時からの過ごし方とか、育ててもらったことが全部、今につながっていると思います。野球に関してだと、『真っすぐは球速じゃなくてボールの質だぞ』というのは僕が小さい頃から、分からないなりにずっと言われていたので、その意識でやっていました」と感謝した。
ウイニングボールはいつも通り実家へ さらなる恩返しに意欲
ウイニングボールは毎回、実家に贈ってるという。「いつも喜んでくれている。こうやって試合で投げて、恩返しできたらなと思っています」と力を込めた。目標達成まで、残り6勝。一つでも多くのボールを、両親の元に届けてみせる。