《荒木大輔のズバリ解投》スペシャリティー持つ梅林と田宮 課題は明確
チーム状態は上向き ファームでも期待の若手が奮闘中
交流戦を4連勝で締めくくり、チーム状態は上向きだ。昨季に比べ、確実に戦力は充実してきている。プロ野球は勝負の世界。それはチーム内も同様。ファームでも、期待の若手が着実に力をつけ、1軍舞台を目指している。
投手陣が顕著で、ドラフト1位の達や畔柳、育成の福島、松本遼らの顔が浮かぶ。今季から育成となった柿木はここまで18試合(21日現在)で計25回⅔を投げ、防御率0・35と抜群の安定感を誇る。
高卒選手に存在する〝育成期間〟 焦りは禁物
ただ、焦りは禁物だ。今はじっくりと力を蓄える時期。今季中、確実に足固めし、来春を目指してもらいたい。キャンプのスタートと同時に猛アピールできれば、よりチャンスは広がる。高卒選手には〝育成期間〟が存在する。首脳陣も長いスパンで、戦力として見極めていくものだ。
苦しむ根本と吉田 その理由とは…
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苦しんでいる若手もいる。昨季、3勝をマークし、今季さらなる活躍が期待された道産子の根本や、5年目の吉田だ。球界でよく耳にするフレーズが脳裏をよぎる。「ハマっちゃった」のだろう。1軍のマウンドを知り、レベルアップを目指して何かを変えようと画策する。ステップの幅だったり、腕の位置だったり。それがうまくハマらないことが多々ある。
悩む時期は誰にでもある。もがいている本人は当然、つらい。ただ、一つのきっかけで好転することはよくある。その試行錯誤が後々、壁に当たった時に生きてくる。
立場の違う井口と堀 すぐにでも1軍で戦力にならなくては
一方で、すぐにでも一軍の戦力になるべき立場の者もいる。井口や堀がそうだ。ともに今季はここまで5試合の登板にとどまっている。現在、宮西や玉井、池田、河野らリリーフ陣が充実している。だが、過酷なポジションに変わりない。
シーズンを通して、このポジションがどこまで好調をキープできるか。それが上位をうかがうカギとなる。2年前はこのポジションが崩れてしまった。井口や堀がカバーし、層の厚さを示していかなければならない。
激しい正捕手争い 若手の台頭はチーム力を底上げ
捕手陣も楽しみだ。正捕手争いが激しい。中日から新たに郡司もトレード加入した。注目なのは大卒4年目の梅林と高卒5年目の田宮だ。梅林は誰にも引けを取らない肩の強さが最大の武器。9日には今季初めて1軍登録された。田宮は動けるキャッチャー。それぞれスペシャリティーを持っている。
2人とも課題はバッティング。明確だ。現在のプロ野球界は、「打てる捕手」が主流。打力がなければ、なかなかレギュラーは取れない。逆に打力に秀でていれば、マルティネスのように他のポジションで出ることも可能だ。いずれのポジションもフレッシュな戦力の台頭はチーム力を底上げする。