夏季スポーツ
2023/06/21 21:10

札幌創成が初の全国切符 夏冬計11度目の挑戦で4強の壁破る【全道高校サッカー】

創部58年目で初の全国切符を獲得した札幌創成イレブン(撮影・西川薫)

■全道高校サッカー大会最終日(21日、札幌市東雁来サッカー場)
 ▽男子準決勝 札幌創成3-0とわの森
 ▽同決勝 旭川実業3-2(延長)札幌創成

7月29日から旭川でインターハイ

 男子は準決勝と決勝が行われ、1966年創部の札幌創成が準決勝でとわの森を破り初の全国大会出場を決めた。決勝では旭川実業に延長戦の末に惜敗したが、これまで夏冬通算10度の4強進出も全て跳ね返されてきた。11度目の挑戦でついに厚い壁を打ち破り、7月29日から旭川で開催されるインターハイに出場する。

「期待されてない代」がチーム史上最高の結果

 札幌創成がついにブロンズコレクターを返上した。昨年からのメンバー、MF村本柊生主将(3年)は「やりました。1年のルーキーリーグを僕たちの代で1部から2部に降格して、あまり期待されてない代。その中でこうやって全国行けて、正直めっちゃ嬉しいです」。そのルーキーリーグの入れ替え戦で敗れたのが、とわの森だった。村本主将は「僕からしたらリベンジ」。完封勝利で2年越しの雪辱戦を制した。

準決勝は2年生メンバーが活躍

 とわの森戦はスタメン6人の2年生軍団が活躍した。前半5分、MF佐野元紀(2年)が先制すると、同32分には1トップのFW加我咲大(2年)がドリブルで相手PA内に進入し反則を誘いPKを獲得。キックは村本主将が決めたが、加我は後半20分にヘディングで全道初得点をマーク。札幌支部で右内転筋を痛め全道大会出場も一時は危ぶまれたが2回戦からフル出場。準決勝に敗れても3位決定戦は残っていたが「この戦いに勝って決めて決勝行こうってチームで話していて、3-0で終われたんで良かった」と声を弾ませた。

昨年のレギュラーは村本主将のみ

 22年も夏冬連続で4強入り。当時から出ているのは村本主将のみ。メンバーはほぼ総入れ替え。フィジカルも経験値も圧倒的に不足していた。オフは渡部文緒トレーナー指導の下、徹底的に身体強化した。加我は「新しい体幹トレーニングが増えて、そこでみんな体に軸ができて、簡単に倒れないシーンが多くなった」と、当たり負けしないフィジカルを手に入れた。鏑木正彦監督(42)は「最初はかなり苦労しました。冬や春の遠征は。その中でしっかりとうちのサッカーを落とし込んできて、やっと選手が自分たちで判断できるチームができつつある」と振り返る。村本主将も「みんながちゃんとついてきてくれた」と仲間に感謝した。
 

「まずは(全国)1勝」旋風起こす

 初の大舞台は地元北海道。加我は「楽しみです。まず点をいっぱい取る。そうじゃないと注目されないんで」と全国デビューに気合を入れる。村本主将も「せっかく全国に行くんで、多く勝ち進みたい。まずは1勝。1つずつ勝っていければ」。殻を破った若武者軍団が、全国の猛者相手に歴史を作る。

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