札幌MF荒野 元チームメートへの思い胸に3万人超え札幌ドームで躍動だ 24日C大阪戦
■6月22日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
2010年の入団以降、観客動員3万人超えの試合は4勝3分の負け無し
北海道コンサドーレ札幌は24日のC大阪戦(札幌ドーム)に向けて、11対11などで調整した。MF荒野拓馬(30)は主力組の一員としてプレー。かつてのチームメートたちへの思いを胸に〝赤黒フェスタ〟の舞台で輝き、チームを勝利へと導く。
札幌ドームで開催される試合としては、約4年ぶりとなる3万人動員へ期待が掛かる。札幌ひと筋で、プロ12年目のシーズンを送っている荒野も、その舞台で戦う瞬間を心待ちにしている。「それだけのファン・サポーターが集まってくれた試合で、札幌が強いということを今まで証明してきたので、今回もそれを証明したい」。荒野が特別指定選手としてトップチームに登録された2010年以降、札幌ドームに3万人以上の観衆が訪れた全7試合で、札幌は4勝3分と無敗を誇っている。「3万人の後押しがあって、あの声援の中でやるというのは、相手は絶対、嫌だと思う」。C大阪戦でもまた、大観衆からの声援を推進力に変えていく。
ラジオの公開収録でさらなるメンタル強化
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荒野には最近、試合以上に緊張した出来事があった。今年4月からパーソナリティーを務めているラジオ番組「荒野拓馬のGO!GO!コンサドーレ」(STVラジオ、毎週日曜午前8時45分~8時55分)の放送開始後初となる公開収録が、今月14日に札幌市内で行われた。「公開収録の方が緊張しました。毎試合、緊張はしているのですが、いつもの慣れた場所じゃなかったので」。普段とは違う、もう一つの大舞台を経験したことで、メンタル面はさらに強化された。
ユースの後輩DF進藤の初凱旋あれば 「喜びを噛み締めながらプレーしてほしい」
24日の試合では、荒野にとって札幌U-18の後輩であり、21年シーズンからC大阪でプレーしているDF進藤亮佑(27)の先発出場が有力視される。もし進藤がこの試合に出場すれば、移籍後初の札幌ドーム凱旋となる。「札幌でもいいプレーをしていたし、一緒にプレーしていた仲間と試合できるのは、どこのチームの選手でも楽しいこと。あいつも札幌U-18で育ったというところもありますし、札幌ドームでできるというのに、すごい喜びを感じると思うので、それを噛み締めながらプレーしてほしいですね」と、後輩の凱旋を歓迎するが、もちろん勝ち点3を渡す気などはさらさら無い。全力で後輩を迎え撃ち、札幌に白星をもたらす。
MFチャナティップが川崎を退団してタイへ帰国 「縁が無くなるわけではない」
そして21日、もう一人の元チームメートが大きな決断を下した。17年シーズン途中から約4年半札幌でプレーしたタイ代表MFチャナティップ(29)が、川崎からタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドFCへ完全移籍することが発表された。荒野にとっても、チャナティップが札幌に移籍してきた際には真っ先に一緒に食事へ行くなど、公私ともに親しい仲間だった。「一緒にずっとプレーして、本当に素晴らしい選手ですし、人間性も素晴らしい。川崎に移籍してからは、あれだけのポテンシャルを持っていながら、なかなか出場機会が無かったことに、僕ももどかしい気持ちを持っていました。プロの世界なので仕方ない部分もあるんですけれど、彼がまたタイに行って、自分の国で輝く姿を札幌から見守っています。まあ、タイに行ったからといって、全然、縁が無くなるわけではないので、これからもちょいちょい連絡を取りながら、一緒に頑張っていきたいなと思います」。物理的な距離は離れてしまうが、心の距離はそのままに、1993年生まれの2人のMFは今後も互いに励まし合い、切磋琢磨していく。
次節からリーグは折り返し 「後半戦は取りこぼしをしない」
リーグ前半戦を8位で折り返し、いよいよ後半戦の戦いがスタートする。「(8位は)最低限だと思います。まだまだ勝ちを落としている部分はありますし、まだまだ上に行ける部分はあるので。後半戦は取りこぼしをしないように、上に食い込んでいけるように連勝が必要だと思います」。勝利すれば最大で4位まで浮上する可能性もある大事な一戦。さまざまな思いを自身の燃料へ変え、〝札幌のエンジン〟がチームを導いて後半戦のスタートダッシュを決めてみせる。