《荒木大輔のズバリ解投》完勝を上回る意味のある白星 最高のリスタート
■パ・リーグ9回戦 日本ハム5-3ロッテ(6月23日、ZOZOマリンスタジアム)
先発の加藤貴は〝結果球〟多く本来の投球 さすがの安定感
日本ハムは完勝を上回る意味のある白星を手にした。まずは先発の加藤貴。本来のピッチングを存分に披露した。コントロール良く〝結果球〟をどんどん投げ込んだ。状態が悪い時はファウルなどで粘られ、球数が増えていくのだが、それがなかった。
七回に2点を失ったが、特に大きな問題もなかった。むしろ、Aクラスでしのぎを削っているロッテが意地を見せたというところか。七回途中で95球を投げて2失点。先発としては十分な結果だろう。さすがの安定感を見せつけた。
加藤貴の降板で示すことができた日本ハムの強みとは…
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加藤貴が失点し、なおも2死一、二塁とされた場面で降板した。〝おかげ〟で、リリーフ陣の登板機会が訪れた。ここでベンチは玉井を選択。「困ったら玉井」という言葉が浮かぶぐらい、経験は十分。決して追加点を与えてはいけないシーンで、きっちりと岡を三振に抑えた。
続く池田は1回をパーファクト。中継ぎ陣はまだ宮西や河野も控えている。層の厚さ、レベルの高さをあらためて示した。
悪い時にどう抑えるか 大きな1セーブを挙げた田中正
九回に登板した田中正は1点を失った。久しぶりの登板で、力みが見られた。ところが、カットボールでカウントを整えられたことで落ち着きを取り戻した。やみくもに力任せでしのぎ切ったわけではない。フラつきながらも、確実に修正できた。常に状態良くマウンドに立てる投手などいない。悪い時にも、どう抑えていくか。大きな1セーブとなった。
チャンスを生かした石井 不振脱却のきっかけにしたい野村の一発
野手も、しかりだ。リーグ戦再開の試合で1番に抜てきされた石井が2二塁打1打点で2得点。大きなチャンスをモノにした。そして、ここまで苦しんできた野村。2点差に詰め寄られた直後に、価値のある一発を放った。2軍の試合にも出て復調のきっかけをつかもうとしていた。この日の本塁打を良いきっかけにしてもらいたい。
すべてがハマっての快勝では味わえない要素が盛りだくさんだった。引き締め材料ともなりえる。最高のリスタートを切ったと言ってもよい。