野村〝見下ろし弾〟 新庄監督の助言生きた 今季初5連勝呼ぶ
■パ・リーグ9回戦 日本ハム5ー3ロッテ(6月23日、ZOZOマリンスタジアム)
4ー2の八回にダメ押しの一発 内角ツーシーム捉えた
日本ハムの野村佑希内野手(22)が23日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦の八回に左翼席へ、ダメ押しのソロ弾を放った。6月4日の巨人戦(東京ドーム)以来となる第7号アーチ。悩める主砲が復調の兆しを見せ、今季初の5連勝を呼び込んだ。
2点差に迫られ、流れはロッテに傾きかけていた。八回先頭で打席に入った野村は、カウント2―1から東妻の内角ツーシームを完璧にさばいた。低い弾道で左翼席へ突き刺さる。相手の戦意を喪失させる大きな一撃だった。直近4試合は無安打だったが、不安を払拭。新庄監督にもらった助言を引き合いに出し「見下ろしました」と胸を張った。
新庄監督の狙い的中 「あれをね、つかみに行かせたんです」
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交流戦が終わり、1軍本隊は北海道に戻った。新庄監督は野村をあえて2軍に合流させ、カーミニーク(所沢)で行われたイースタン・リーグの西武戦に出場させた。明確な狙いがあった。
「ゆったり感を見ました? 見下ろしというか。あれをね、つかみに行かせたんです。引きつけて、ボール球に手を出さずに見逃して、甘いところを(狙う)。100パーセント(の力で)振っている感じじゃない方が、ファウルにならず、捉えられる。あれが余裕というか、2軍じゃないとできない」
絶賛の指揮官 「俺ならもうバット2回くらい折れている」
1軍での不振がウソのように、2軍戦では2試合連続本塁打を放った。精神的な面を含め、受け身ではなく、自らの間合いで勝負に挑むことが重要だった。この日、終盤に本塁打が飛び出すと、指揮官はベンチで優しくうなずいた。
試合後は「見下ろし打法。良い当たりをしたね。あの1、2、3打席目のゆったり感はあれでいい。全然、打てる。期待できるタイミングの取り方をしているな、と見ていたらガツン。あのクイックをよう打ちますね。俺ならもうバット2回くらい折れている」と冗談を交えながら、たたえた。
チームとともにさらに上昇へ 「ここから上がっていく」
ヒーローインタビューを受けた野村は「今年は何回も復活弾と記事に書いてもらっているので、今回こそはしっかりここから上がっていけるように頑張りたい」と自戒を込めつつ、決意表明した。借金は「3」まで減り、3位ロッテとのゲーム差は「5」。清宮、万波とともに打線の核を担う背番号5は、自らのバットでチームを押し上げていく。