近藤キャリアハイ10号!チーム唯一の2桁弾!!
■日本ハム5ー7西武(20日、メットライフドーム)
新主砲がキャリアハイの10号だ。日本ハムの近藤健介外野手(28)が20日、西武との敵地最終戦で、自身初となるシーズン2桁本塁打を放った。「4番・DH」で先発し、二回に先制点となる10号ソロ。五回には野村佑希内野手(21)の2戦連発7号3ランも飛び出した。試合は先発のロビー・アーリン投手(31)が二回に5失点を喫するなど5―7で敗れ、5位から再び最下位に逆戻りしたが、来季の希望となるアベック弾となった。
これが、進化形だ。4番の近藤が二回、西武の松本を攻略した。カウント3―1。「真っすぐを1、2の3で振りました」という打球はぐんぐん伸びて、右中間スタンドに届いた。先制の10号ソロ。2018年の9本を超え、シーズン自己最多を更新した。普段は自らに厳しいが「ひと振りで捉えることができて良かったです。目標にしてきた2桁本塁打を初めて打つことができて、うれしい気持ちです」と素直に喜びを口にした。
長く主砲を務めた中田の不振、トレード移籍もあり、夏場から4番に入るケースが増えた。きわどいボールを見極め、カウントを整えて勝負するタイプだったが、ファーストストライクから強振する場面が増えた。
得点力、長打力の不足が深刻だったチーム事情を踏まえ、モデルチェンジした。以前よりも三振が増えたが、恐れはない。「ある程度、大きいのはイメージしています。タイミングをしっかり取らないといけないので、そこで苦しんでいた部分はある。小さくなりすぎないように―と心がけています」と明かした。
今季、3割に迫る打率、4割1分を超える出塁率を記録しながら、出場127試合目で本塁打を2桁に乗せた。シーズン残り6試合。この日まで、2桁本塁打をマークしていた選手はチーム内にいなかった。もし、今季終了時点で2桁本塁打達成者が0なら、東映フライヤーズ時代の1958年以来、63年ぶりとなる不名誉記録だった。
2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得していても、満足はしていない。多くの四球を獲得してきた「選球眼」や安打を量産する「技術」の特長を損なわず、本塁打を増やそうと試みている。ハイレベルな両立の作業だが「状況判断。そこは、難しいとは思わない」と言ってのけた。
選手会長も務める新主砲は、重責を受け入れ、強い覚悟で戦っている。「もっとホームラン打てればチームにも貢献できると思うので、来シーズン以降もその目標は変わらない」。入団10年目の生え抜きリーダーが大砲不在の弱点を埋め、若手の多い打線をけん引する。