封じられた新庄マジック 2連続スクイズ失敗 「駆け引きで負けました」
■パ・リーグ10回戦 日本ハム4-5ロッテ(6月24日、ZOZOマリンスタジアム)
4-4の九回無死二、三塁の場面でサインも バッテリーに外されて失敗
二段構えの秘策が、ピンポイントで防がれた。日本ハムの新庄剛志監督(51)が24日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦に敗れ、自らの采配ミスを悔やんだ。同点の九回に二度、スクイズのサインを出したが、ともに外された。チームの連勝は5でストップ。試合後、裏目に出た作戦に触れ「僕の采配のミス。今度はああいうミスがないように」と潔く全ての責任を背負った。
同点の九回無死二、三塁で打席には石井。複数得点も視野に入る絶好機だが、新庄監督は「向こうが防げない作戦で1点を取って、(田中)正義くんにつなげようという思いがあった」。冷静に相手の守備体形を分析し、バッテリーの配球を読む。〝勘ピューター〟もフル稼働させ、表情を変えずに手を打った。
1死三塁となり 2度目は3バントスクイズ決行も また外され万事休す
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カウント2―1でスクイズ。バッテリーに外され、1死三塁。スタンドが騒然とする中、フルカウントになったところで、今度は3バントスクイズを試みた。しかし投球は再び、バットが届かない外のコースへ。手の内は、完璧に読まれていた。必死に腕を伸ばし、バットに当てようとした石井は結局、三振。「後ろが(松本)剛さんですし、ウエストは少ないかなということで(ストライク)ゾーン内で待っていたんですけど、外されて当たらなかったです」と悔しさをにじませた。
難度の高い心理戦だった。指揮官は「フォーク警戒でそれが浮いてくれたらいいかなと。相手はそらしたら1点というプレッシャーがある。ワンバンは投げたくないですからね」とバッテリーの裏をかいて、スクイズを選択していた。ただ、結果は失敗で「駆け引きというところで、負けました」と認めた。
「これで(作戦を)やめるとかじゃなくて、またどんどんどんどん挑戦していきたい」
今回は、マジックの種が割れていた。それでも「一つずつ勉強していって。これで(作戦を)やめるとかじゃなくて、またどんどんどんどん挑戦はしていきたい」と攻めの姿勢は変えない。今後も失敗を恐れず、動いていくつもりで「(サインが)来るだろうというところで外されました。はい、ベンチが悪い。僕(監督)が悪い。選手は割り切ってもらえているので」と強調した。
昨季、既成概念を壊し、1年掛けて新庄野球のベースを構築した。ベンチと選手の信頼関係が大きな武器。今後も、磨いてきた選手個々の技量とベンチの頭脳を掛け合わせ、厳しい戦いを乗り切っていく。