数年前レッスンに通って学んだはずの英語が、ぱっと出てこなかった。この日の練習中、米国育ちの加藤豪から「Ｈｏｗ　ａｒｅ　ｙｏｕ？」と話し掛けられた。

　思わず固まってしまい、「Ｉ’ｍ　ｆｉｎｅ」と返すのが精いっぱい。米大リーグ経験もある逆輸入ルーキーが「これからは英語で話しましょう！」と提案してくれたが、自信なさげにうなずくことしかできなかった。

　そう言われたものの、なかなか出来るものではない。この日は気温が３０度近く上昇。扇風機に当たって涼んでいた加藤豪に「暑いのは得意ですか？」と日本語で聞いてしまった。

　「Ｅｎｇｌｉｓｈ　Ｏｎｌｙ」と返され、とっさに出た言葉は「ｈｏｔ　ＯＫ？」。つたなすぎる英語に爆笑しながら「ａｎｙｔｈｉｎｇ！」と答えてくれた。

　自分のふがいなさに打ちのめされた一方、背番号３の優しさに触れることが出来た。