鎌ケ谷発企画「待ってろエスコンF」 第3回は阪口楽内野手
昨季の1軍デビュー戦でいきなりプロ初安打 24日に誕生日迎えた20歳ホープの現在地
2軍で泥にまみれながら己を磨くダイヤの原石たちにスポットを当てた新企画「待ってろエスコンF~鎌ケ谷チャレンジャーズの今に迫る~」。近い将来、新球場のスターになる可能性を秘めた若きタレント候補の現状を掘り下げる。不定期連載の第3弾は、21年ドラフト4位の高卒2年目・阪口楽(うた、20)。ルーキーイヤーの昨季、1軍デビュー戦でプロ初安打を放ったホープの現在地を聞いた。
打撃を軸に走攻守全てでレベルアップ目指す
―今季はここまで2軍でチーム2位の52試合に出場し、打率.222、2本塁打、11打点。現状をどう考えているか
「去年よりは、ちょっとは上達しているなという実感はあるんですけど、まだまだ守備も走塁もバッティングも全然なので、全てレベルアップしようと思ってやっています。去年に比べたら守備のドキドキ感はなくなった。バッティングは打ったらうれしいですし、打てなかったら最悪だって、その繰り返しです。でも打てないのは下手くそなだけなので、そういうときはウエートをしまくってモヤモヤを吹き飛ばします」
―特長は打撃力だと思うが、守備や走塁も力を入れているか
「そうですね。守れなかったら、まず1軍で出られないので、全てをやらないといけないと思っています。それでも、やっぱり打たないと魅力がないと思っているので、バッティングは一番に考えています」
たとえ試合の後でも自分のスイングに納得してから一日を終える
―1日のタイムスケジュールは
「試合の日は、7時には起きています。朝は起きられる方だと思います。朝ご飯をいっぱい食べて、お風呂に入って、そこで歯を磨いて。大事な時間ですね。目を覚まさないとダメなので。朝にウエートをやる日も結構あるので、ウエートをやってからグラウンドに行きます。試合が終わったら練習して、夜ご飯食べて、もう一回練習して、早く寝ます。試合後の練習では必ずやるメニューを決めている。置きティーなんですけど、試合だとピッチャーにフォームを崩されるので、そこでもう一回、自分のスイングを確認してから終わっています。2、30分ですね。納得するまで」
―試合後の置きティーはプロ入ってからの習慣か
「そうです。今思えば、高校の時は何も考えていなかった。こっち(プロ)に来てから、できることをやろうと思ってやっています。今1軍にいる人たちに、かなり影響されましたね。やらされているわけではなくて、その人たちの背中を見て、やろうと思いました。ジェイ(野村)さんや、(細川)凌平さんもそうですし、マンチュー(万波)さんもあれだけすごい活躍をしている。みんな鎌ケ谷で練習している姿を見ていた人たちなので。マンチューさんとジェイさんは鎌ケ谷で一緒に練習する機会は少しだけでしたけど、ずっと一緒にやっていた凌平さんは意識がすごく高かった。必ず真面目にやることをやっている。同じ京都出身で、12月も一緒に練習させてもらって、今は自分だけ2軍なので、早く追いつきたいです」
―験担ぎやルーティンはあるか
「験担ぎみたいなのを結構しちゃうタイプだったんですけど、今はしないようにしています。このゴミを拾わないと打てないとか、結構考え過ぎてしまうタイプなので、意識的になくしています。ゴミは拾いますけどね(笑)。バットを磨かないととか、細かいことを気にし過ぎてしまうタイプなので、今は何も考えずに練習に集中するようにしています」
野球ノートを書き始めてから 打てるようになってきた
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―練習後の夜の時間はどう過ごしているか
「飯食って、練習終わって、風呂入った後は、結構、寮のロビーにあるテレビで1軍の試合を見ることが多いですね。見ていて面白いですし、いいなーって思いながら見ています。みんなすごいので、早くここに行きたいなって思いながら。刺激というより、まだレベルが全然違うので、すごいなと思いながら。僕はチームで一番下手くそなので。部屋に戻った後は、ちょっとストレッチして、眠たくなるのですぐ寝ます。あと最近は野球ノートも書き始めました。試合中にも書いて、試合終わってからも書いています。偶然かもしれないですけど、そこから打てるようになってきた。相手ピッチャーのことと、教えてもらったことと、自分の考えを書いています。始めたのはシーズン入ったぐらいからですね。初めて書いたんですけど、野球ノート大事です」
―6月24日に20歳の誕生日を迎えた
「お酒が飲めるようになるので、大人になったかなと思います。でも19歳も20歳も変わらないので、がむしゃらに頑張るだけです」
去年11月に88キロだった体重は現在94キロ ベンチプレスは20キロUP↑↑
―最近は納得のいく打席も増えているか
「ちょっとずつ、去年に比べたら良い打席も増えていますけど、まだまだですね。バットは振れるようになってきて、ウエートの重量も増えてきた。体重もめちゃくちゃ増えました。去年の11月が88キロだったんですけど、今は94キロぐらいある。ウエートをオフからめちゃくちゃやっていて、きついっす(笑)。体を鍛えないと話にならへんなって思ったので。量をこなしていたら重さも変わってきた。ベンチプレスだったら、オフは80キロを数回だったんですけど、キャンプ終わってこっち(鎌ケ谷)に帰ったら100キロ5回はできるようになりました。上には上がまだまだいるんですけどね。フィジカルは強くなったらいいことしかないので。今は停滞期に入っているので、我慢の時期ですね。でも、走ったりするのは嫌いなんですけど、ウエートは好きなんです」
―内野手登録だが、主に外野で出場している。狙うポジションは
「もう外野しかほとんどやっていないので、自分では外野かなと思っています。外野も難しいんですけどね。ただ、打てないと、どこだろうと試合に出られないことに変わりはないので」
―休みの日の過ごし方は
「寝ないと疲れが取れないので、朝は10時ぐらいまで寝ています。起きたらお風呂入って、ご飯食べて、夜はサウナに入って。体を大きくしたいので、時間があったらバナナを食ったりプロテインを飲んだり。理想の体重は決めていないですけど、とりあえず自然にいけるところまでいきたいです」
かつては大谷に憧れ 今は1軍昇格目指してがむしゃら いつかはヒーローインタビューを
―以前はエンゼルス・大谷に憧れていると話していた。今も映像は見ているか
「ホームランの映像は見ますけど、めっちゃ研究するとかはないです。将来像は今はあんまり決めずに。すごいなと思う人はいっぱいいますけどね。まずは体づくりと、下(2軍)で結果を残して、できるだけ早く(1軍に)上がれるように頑張りたい。それしか考えていないです。体づくりができれば自然とスイングも速くなりますし、結果にもつながると思う。そう思って明るく楽しくやっています。がむしゃらに頑張ります」
―5年後はどうなっていたいか
「それはもう1軍にずっといられる選手になっていたいです。そういう選手になるためにって考えてやっています。昨年1年経験して、現実を見て、自分の立場を知って、1軍で試合に出続けることがどんなに高いハードルなのかを感じました。ファイターズのレギュラーで、ホームランも打てて、率も残せて、肩が強い外野手を目指しています。エスコンで活躍できるように頑張ります。(3月の)紅白戦で行きましたけど、すごかったので。いつかあのヒーローインタビュー、やってみたいです」