全校応援で白星引き寄せた石狩翔陽 決勝三塁打の古屋二塁手「めっちゃ気合入りました」【南大会札幌】
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月26日、札幌円山)
▽Bブロック1回戦 石狩翔陽10―5千歳
三塁側スタンドから850人が後押し 四回、七回それぞれ4得点のビッグイニング
全校応援の後押しを受けた石狩翔陽ナインが躍動した。4得点のビッグイニングを2度つくるなど、14安打10得点で千歳に快勝した。七回に決勝の3点三塁打を放った古屋巧翔二塁手(たくと、2年)が3安打3打点をマークし、守備でも無失策と攻守でチームを盛り立てた。
小澤監督「勢いをもらいました」
約850人の声援が白星を生み出した。異例となる1回戦での全校応援に、小澤正明監督(52)は「勢いをもらいました」と学校のはからいに感謝した。四回、七回にそれぞれ生まれた4得点の猛攻は「本当に力をもらった」と指揮官。学校全体で初戦白星の喜びを分かち合った。
2年生5番・古屋が勝ち越しの3点三塁打で気迫のヘッスラ
勝利の立役者となったのは2年生ながら5番を任され、二塁を守る古屋だった。5―5で迎えた七回無死満塁。カウント1―1から外角高めの直球を振り抜くと、打球は右翼線を破った。最後は全校生徒が待ち受ける中、三塁ベースに気迫のヘッドスライディング。三塁側スタンドのボルテージは一気に上がり、勝利への道筋は明確になった。
今月23日に高文連のあった吹奏楽部も休日などの合間を見つけては、この全校応援の準備に時間を費やしていた。古屋は「初回とかは圧倒された」という迫力のある応援に「めっちゃ気合入りました。後押しをめっちゃ感じます」と、確実に力となった。決勝打を放った七回も「同点に追いついて、流れもこっちだったので、ここで一気に自分が返してやろうという気持ちで打ちました」と、奏でられる音楽とともに古屋の気持ちは乗った。
一時は太鼓部入部も野球への未練断ち切れず転部 すると半年足らずで未経験の二塁に抜擢
小学1年生から野球を始めた古屋は中学野球を終え、一旦区切りをつけていた。高校入学後は「違うのをやってみたい」と太鼓部に入部。しかし、野球への未練はどうしても断ち切れず昨年冬に野球部へと転部した。硬式球は初めてで、中学時代には捕手を務めていたが、半年足らずで未経験だった二塁のポジションをつかみ取った。「自分でもびっくりします。こんなにうまくいくのかな」と笑った。
古屋自身、夏の公式戦に臨むのは初めて。「やっぱり夏は一味違う。3年生も最後ですし、気合の入り方が違います」と力を込めた。この勢いを落とすわけにはいかない。「まずは次の試合。1つずつ勝っていって、ブロック決勝でいい戦いができたら」と、一戦必勝で勝ち上がりを狙う。