札幌創成・戸出監督 新天地で公式戦初勝利「気持ちと気持ちのぶつかり合いだった」【南大会札幌】
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月26日、札幌円山)
▽Cブロック1回戦 札幌創成6―4札幌藻岩
2年生エースと4番の活躍で札幌藻岩に競り勝ち「苦しかった」と安堵
新たな一歩を踏み出した。かつて率いた白樺学園から昨年の秋季大会終了後に就任した札幌創成の戸出直樹監督(47)が、記念すべき公式戦初勝利を挙げた。札幌藻岩に6―4と競り勝ち「苦しかったですね」と安堵の表情を見せた。背番号「1」を付ける先発の岩城悠雅投手(2年)が132球を投げ、8回6安打2失点と好投。4番に座る花咲怜真左翼手(りょうま、2年)も決勝2点二塁打を放つなど、投打の柱が節目の白星をプレゼントした。
一進一退の攻防を繰り広げた。戸出監督は「藻岩さんは素晴らしいチームで、気持ちと気持ちのぶつかり合いだった」と振り返った。四回に重盗で先制を許したが、五回に打線が逆転に成功。1点差に詰め寄られた八回にはダメ押しの3得点を挙げたが、九回に2点を返されるなど、最後まで気の抜けない試合となった。
岩城が足をつるアクシデント乗り越え8回2失点
2年生エースの岩城が低めを丁寧につく投球で粘りを見せた。時折走者を許しながらも、要所は締めた。球場内の気温が上昇し、八回は足をつるアクシデントにも襲われたが、イニングを最後まで投げ切った。岩城は「立ち上がりはあまり良くなかったけど、途中から修正できたのが良かった」と胸を張った。指揮官も「こういう天候の中で、よく投げてくれた」と目を細めた。
先発メンバーの7人は1、2年生 3年生は裏方の仕事も率先してこなす
ベンチを含めた8人の3年生の存在が大きかった。スタメンは荒山侑咲右翼手(ゆうさく、3年)と三橋一斗三塁手(3年)以外は1、2生が並ぶ。先輩が後輩をサポートするために、攻守交代時にはグラブや水を運んだりと、裏方の仕事を率先してこなした。戸出監督も「3年生はベンチでもすごい良かった。全部やってくれた」と感謝した。
米坂宗一郎主将(3年)は「声掛けとか、攻守交代時の迎え入れとか追い出しとかをスムーズにしっかりベンチでやっていって、守備から流れをつくるところを意識して取り組んでます」とベンチも一丸となって、試合のリズムをつくることに尽力している。お互いに遠慮することなく、指摘し合える関係性も構築できている。
練習から戸出イズムが徐々に浸透 常に実戦を意識したメニューに取り組む
〝戸出イズム〟は徐々に浸透しつつある。ノックを受けるときは常に足を動かすために、一連のプレーが終わった後にボール回しを取り入れている。フリー打撃の際には、ポジションに就いた内野手にゴロが飛ぶと、全て併殺プレーの練習をさせるなど、実戦を意識したメニューに組んでいる。「新しい気付きとか、自分たちの知らない野球観をたくさん教えてもらっている」と米坂主将は感謝する。
2回戦は強豪・札幌第一戦
次戦は春季全道大会に出場した札幌第一に挑む。指揮官が「気持ちで向かって戦っていけたら」と話すと、米坂主将も「実力的に劣る部分はあるけど、チーム全員で勝ちにいく」と続いた。チーム一丸となった粘りの野球で、勝機を見出す。