道産子左腕の根本 原点回帰のワインドアップで復調 リフレッシュは輝星との食事会
■イースタン・リーグ12回戦 ロッテ2ー1日本ハム(6月27日、鎌ケ谷スタジアム)
5回4安打2失点 フォームを戻した前々回から復調
〝原点フォーム〟に活路を見いだした。日本ハムの根本悠楓投手(20)が27日、2軍ロッテ戦に五回から登板し、5回4安打2失点と好投した。約1カ月前まで調子が上がらず、前々回登板の7日DeNA戦からフォーム変更を決断。昨夏から始めたセットポジションをやめ、投手を始めた小3の頃から投げ続けてきたワインドアップに戻した。すると、伸びのある直球がよみがえり、この日は6奪三振をマークした。
「全体的に良かったです。ある程度は自分の思った感じで投げられました。真っすぐも良いですし、しっかり腕を振れるようなフォームになってきている感じはします。ワインドアップに戻して、良くなりました」と笑顔も戻った。
プロ2年目を支えたセットポジション
もともと、セットポジションは苦肉の策だった。1軍で先発を任されていた左腕は昨夏、「ストライクが入らなくて」と制球に悩まされていた。「自分のワインドアップが早いのもあって、どうしても1軍だとフォームのリズムが早くなっちゃう。自分でもすごい投げ急いでいる感じがあった。それで制御が効かなくて、どうしようかなと思った時に、一回セットでやってみたら、球速は2、3キロ落ちたんですけど、まとまった」。試行錯誤しながら解決策を見つけ、何とかプロ2年目を乗り切った。
難局打開へ再変更を決断 「自分のリズム、腕の感じが戻った」
しかし、即席のフォームはすぐに崩れた。今年に入ると「どんどん形が分からなくなってきて、だいぶおかしくなってしまった」と不振が続いた。「またワインドアップにしたら、ばらついて、どっちみち去年と同じことになるんじゃないかなと思ったりもして、良い方法がないかなって探したりした」と悩んだが、最後は勇気を持って原点回帰を決断した。
「ワインドアップに戻したら、自分の良い形で投げられるようになってきた。自分のリズム、自分の腕の感じが戻って来た。自分には合っている。思いきって変えてみて良かった」と確かな手応えにつながった。
吉田輝星との食事が最高の息抜き 心がける「とりあえず生」
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プライベートでは先輩との食事が息抜きになっている。「オフかオフ前の日だけですけど、輝星さんとはよく行きますね。多くても月2回くらいかな。だいたい焼き肉かすしが多い。ちょっと前は韓国ドラマの『バガボンド』にハマっていて、その話を一緒にしていましたね」
今年の3月31日で20歳になったばかり。「20歳になったので、お酒も少し。輝星さんはハイボール飲んでいるんですけど、僕はまだ飲めない。最初だけビールを飲むようにしています。だいたいみんな最初は生なので、飲めるようになっておいた方がいいかな」と初々しく笑った。
気の合う兄貴分 野球談義に花咲くことも
もちろん、野球の話に花が咲くこともある。「この前はフォークとかチェンジアップの話を。投げ方で、僕がこう投げているんですよねって話したら、輝星さんは自分の投げ方を教えてくれえて、『これ投げてみ?』みたいな感じで言われたんですけど、自分は合わないですって言ったり(笑)」
根本にとって吉田は、気の合う兄貴分。「1年目は靴とかマネしていました。自分の好みと輝星さんの好みが結構合うんですよ。紫のグローブとかいいなって思ったり。マネしたら『マネすんなよー』って言われましたけど(笑)。気を使わなくて良いって言ったら怒られますけど、年も近いので楽にさせてもらっています」と感謝した。
全ては輝く未来のため 「プロで20年やりたい」
1軍昇格は目標だが、見据える先はそこだけではない。今は将来のビジョンを描きながら、2軍で練習を積んでいる。「まだ(高卒)3年目なので、もちろん1軍でしっかり投げたい気持ちもありますけど、今それができていない分、しっかりこっちでトレーニングはできている。長くプロ野球選手をやるためには、今しっかりトレーニングをやっていって、悪くなった時にフォームを良い状態に持っていくための練習を学んでいければ良いかなと思っている。今すぐ結果はほしいですけど、やれるならプロで20年やりたい。20年やるってなったら、絶対に今が大事になる。5年目、再来年までにはしっかり、ずっと1軍にいられるぐらいにはなりたい。けがで落ちてくるとかもないようにしたい」。悔しさを抱えながら過ごす鎌ケ谷での日々を、輝く未来につなげてみせる。