伊藤大海 沖縄の地で初勝利! 地方球場で勝てる理由は「球数が見えない」から?
■パ・リーグ10回戦 日本ハム2ー1西武(6月27日、沖縄セルラースタジアム那覇)
先発の役割を果たす7回1失点 力強く手にした4勝目
日本ハムの伊藤大海投手(25)が27日、沖縄・那覇で行われた西武戦に先発。7回1失点の好投で今季4勝目を挙げた。試合を振り返り「序盤から(伏見)寅威さんのリードを信じて、しっかり投げ込むことだけを考えていた。しっかり応えて投げきることができた」と南国の夜風に吹かれながら、気持ち良さそうに汗を拭った。
暑さに負けず先頭出塁のピンチにも負けず 納得の投球内容
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
暑さに耐え、度重なるピンチもしのぎ、チームの連敗を止めた。試合開始時点の気温は29℃。ナイトゲームとはいえ「12球団で一番暑いのに弱い」を自称する右腕にとっては過酷な環境だ。前日26日の移動後に現地で練習した際にも「暑さがすごく不安要素だった」と、心配の種を抱えてマウンドへ上がっていた。
試合は7イニング中、5度先頭打者の出塁を許す苦しい展開。それでも投球内容には確かな手応えを感じていた。三、四回には一塁に走者を置いた場面で、注文通りに内野ゴロを打たせてピンチの芽を摘み取った。「狙ったゲッツーも2個取れましたし、久しぶりにピッチングがしっかりできた」と胸を張った。
地方球場にめっぽう強い! プロで3戦2勝負けなし
苫小牧駒大時代には道内各地を転戦する道6大学リーグに所属。あまたの地方球場で投げてきた経験が、プロ入り後も生きている。昨季の旭川、今季の熊本、沖縄と地方開催は3戦2勝で負け知らず。抜群の相性を示している。その理由を「地方球場は球数が見えないじゃないですか? だから疲れを感じない。それはデカいですね。雰囲気もいつもと違って、なんかピリッとする。自分らしさがすごい出る」と、ちゃめっ気たっぷりに説明した。
沖縄で開催されたNPB公式戦で、北海道出身者が勝利投手となるのは史上初という。「試合前にTwitterで知って気合を入れて投げました。チャレンジャーがそもそも、そんなにいなかったと思います(笑)。でも、勝つってうれしいですね」とメモリアルな1勝の喜びを静かにかみしめた。
序盤の不振もなんのその ここからさらに白星を積み重ねる
シーズン開幕後の4月は0勝3敗と波に乗り切れなかったが、気温の上昇と共にパフォーマンスが戻って来た。この日を含めて8試合連続で7イニングを投げ、先発投手の役割を果たしている。「最低限7回は投げたいという気持ちがある。何とかそこまで投げれば、ある程度ゲームをつくれる。そこだけは継続していけたら」。苦手な暑さを克服し、この夏もフィールドの主役になる。
シーサーのぬいぐるみを手に笑顔を見せる今日のヒーロー伊藤