万波 キング独走14号逆転2ラン 新庄監督うれしい誤算「送りバント出そうかと…」
■パ・リーグ10回戦 日本ハム2ー1西武(6月27日、沖縄セルラースタジアム那覇)
値千金の逆転2ラン 読み通りの一発は特大弾
キング争い独走だ。日本ハムの万波中正外野手(23)が27日、沖縄・那覇で行われた西武戦の七回、殊勲の逆転2ランを放った。パ・リーグの本塁打ランキング単独トップの14号。当たりは会心で「きょうの平良投手はすごかったですし、なかなかチャンスがない中で本当、最高の形になりました」と素直に喜んだ。
ほぼ完璧に封じられていた西武先発の平良をようやく、つかまえた。0ー1の七回、先頭の清宮が詰まり気味の中前打で出塁し、無死一塁。万波はバッテリーの目線に立ち「前の打席で真っすぐに結構、良い反応して、紙一重のフライだった。様子見も含めて変化球はあるかな」と推理した。読みは的中した。初球、甘く入ってきたスライダーを振り抜いた。沖縄の夜空に舞い上がった打球は、左翼席の防球ネット最上部に突き刺さった。
新庄監督もびっくり! 「1球打たせてみたら、打っちゃったー」
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この打席、ベンチは別の選択も視野に入れていたという。新庄監督が試合後に打ち明けた。「あれ、送りバントを出そうかと思ったの。KG(加藤豪)の方が合っていたから。1球とりあえず打たせてみたら、打っちゃったー、みたいな。そしたらみんな、俺の方を見て『打たせて良かったでしょ~』みたいな。いやいや、結果論やん! ゲッツーかもしれないし」。犠打を1球、思いとどまった結果が勝利に直結。うれしすぎる誤算だった。
4番から〝降格〟の万波 意地の一撃「悔しいというか」
5月30日のヤクルト戦(エスコン)から4番に座り続けていた万波はこの日、約1カ月ぶりに〝指定席〟を離れ、5番に入った。指揮官に降格の意図は全くなかった。清宮、野村を含めた3人の並びに言及し「クリーンアップをどれでいこうか、試している感じ。競争も含めて」と説明した。
ただ、当事者の受け止め方は違った。「悔しいというか。今までは別に何も思わなかったんですけど、4番を打たせてもらってから、今度は違う打順というのは…。やっぱり4番を打ちたいなという気持ちになった」と胸の内を明かした。知らず知らずのうちに、反骨心と中心選手の自覚が芽生えていた。
シーズン70試合目で自己最多タイ14本塁打
本塁打数はもう、昨季にマークした自己最多の14本に並んだ。パ・リーグトップを独走中で、12本の森(オリックス)が2位につけている。3位が柳田(ソフトバンク)と浅村(楽天)の11本で「僕以外、実績のある人ばかり。まだまだ前半戦も終わっていないですけど、何とかそういう人たちに食らいついていきながら、最後まで争っていきたいです」と決意を込めた。
タイトルへの欲は隠さない。ファイターズの未来を担う5年目外野手は重圧をものともせず、正面から数字と向き合っていく。