上原 沖縄凱旋マウンドで堂々7回無失点 「空気が合うんでしょうね。僕も与座も」
■パ・リーグ11回戦 日本ハム0ー2西武(6月28日、沖縄セルラースタジアム那覇)
同郷の与座と息詰まる投手戦 内容には及第点
日本ハムの上原健太投手(29)が28日、沖縄・那覇で行われた西武戦に先発し、7回無失点と好投した。相手先発・与座も同じく7回無失点の快投。沖縄出身の2人がしびれる投手戦を演じ、南国の野球ファンを沸かせた。
左腕は登板後、「空気が合うんでしょうね。僕も与座も。見に来てくれた人たちにとっては、ものすごく良いゲームだったんじゃないかなと思う。負けはしましたけど、良い姿を見せられたのは1つ良かったかな」と、満足感を言葉に乗せた。
毎回の9奪三振 クイックや2段モーションも駆使
内容、結果ともに今季のベストピッチングだった。一回から毎回の9奪三振。緩急自在の投球で自己最多に並ぶ三振の山を築いた。「自分の球、ボールの特長を理解しているつもり。どうやって抑えるか、というところで使えるものは使う。バッターはどんなボールが来るのかよりもタイミングを外されるのが一番いや」と、要所ではクイックや2段モーションを交えて打者を幻惑。ガムシャラに結果を追い求めた。
プロ野球チームのない故郷での公式戦 「意味があると思って投げた」
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強い思いを胸に秘め、凱旋のマウンドに立っていた。プロ野球チームがない沖縄で公式戦が行われるのは、地元の野球ファンにとって貴重な機会。15歳まで沖縄で育った上原は、その意味を誰よりも理解していた。
「バックネット裏のちょっと上の方で、少年野球チームの子どもたちが一生懸命、西武を応援していた。ああやって間近で見ている。そこで僕らがプレーをして何を感じてもらえるか。そこに地方開催の意味があると思って、きょうは投げました」
うちなーんちゅが躍動 子どもたちに届けた今季ベストピッチ
左腕が野球少年だった約20年前、プロ野球は今よりもっと遠い存在だったという。「僕が小学生の時、プロ野球は画面の中の世界だった。テレビはジャイアンツ戦しかやっていなかった。沖縄の人がいるっていうイメージがまず湧かなくて。だから『夢はプロ野球選手です』って言ったら、周りに笑われるような環境でした。(今後は)笑われない夢になっていればいいなと思います」。
〝うちなーんちゅ〟が白熱の投手戦を繰り広げたこの夜。背番号20の活躍を目撃した子どもたちの夢は、よりリアルさを増したはずだ。