神戸と古巣対戦となる札幌DF西 退団するMFイニエスタへの思い
■6月29日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
19年から2年間、共にプレーした世界的スーパースターが日本ラストマッチ
北海道コンサドーレ札幌は7月1日のアウェー神戸戦(ノエスタ)に向けて、パス練習などで調整した。今節の戦いは、神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(39)の日本ラストゲームとなる。かつて神戸で共にプレーしたDF西大伍(35)が、注目の一戦に向けて心境を語った。
札幌でプロのキャリアをスタートさせた西だったが、鹿島で8年間プレーした後、2019年には神戸へと移籍。その前年の5月に神戸に加入していたイニエスタとチームメートとなった。以前から「アイドルというか僕の目標で、試合前に(自分の中で良い)イメージを付けるときに(映像を)見ていたような選手でした」と最大限にリスペクトする選手の1人だった。「一緒にやってみても本当にすごくて、幸せな時間でした」と、共にプレーしたことで充実していた2年間を振り返る。
印象に残っているシーンは 試合中に見せる華麗なプレーではなく…
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印象に残ったシーンは「いっぱいありますが、練習中でもボールをほぼ取られなかったのがすごかった」と、試合中に見せる華麗なプレーのことではなく、普段の練習から異次元のボールキープを披露していたことを挙げる。世界的なスーパースターと日常的にプレーを重ねたことで、自身もさらに技術を磨き上げて成長し、35歳となった今でもJ1の舞台でプレーを続けている。
先月25日に涙の退団会見 「いつかは来ること」
今年に入って出場機会を減らしていたイニエスタは5月25日に涙の退団会見を行った。「いつかは来ること、という感じでしたね。でも一緒にできて、連絡を取り合う仲になれたというのは、すごくうれしいことでした」と寂しさはありつつも、同じチームメートとなれた喜びは消えることはない。会見ではラストゲームが札幌との試合になることも発表された。「たまたま日程的にそうだったということだと思います」と話すが、西にとってはやはり何かの縁があったということだろう。
上位に食らいつくため これ以上の敗北は許されない
札幌は直近の公式戦3試合で勝ち無し。上位に食らいつくためには、これ以上の敗北は許されないという状況で迎える古巣との一戦。相手は現在リーグ暫定2位と好調だが、「チーム的にも勝利が欲しい状況ですので。もちろん簡単ではないですし、自分たちのやりたいサッカーにならないかもしれないですけど、それでも勝つという強さを見せたい」。勝利で大団円を迎えるという神戸側のシナリオを受け入れるつもりは毛頭ない。勝利のみを求めて敵地へと乗り込んでいく。
試合が終われば「(最後は)感謝を伝えたい」とあいさつに向かうつもりだ。元チームメートの新たな旅立ちを勝者の笑顔で送り出す。