札幌GK菅野 イニエスタとの〝同級生〟対決に今度こそ勝利する 始まりは中学生大会
■6月30日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌GK菅野孝憲(39)が、24年間抱き続けた思いを胸に、イニエスタの日本ラストゲームとなるアウェー神戸戦(ノエスタ、7月1日19時キックオフ)へ臨む。
「何かかみ合わないから、結果が出ていない」
チームは現在、リーグ戦2試合を含む公式戦3試合で勝ちが無い状況。最後方からチームを統べる菅野は「何かかみ合わないところがあるから、結果が出ていないと思う」と現状を口にする。
前節のC大阪戦(札幌ドーム、1●4)では4失点を喫したが「みんな1人1人崩されてやられているというよりは、すごくイージーなところで。入れ替わられての1失点目。2失点目も(ボールを)取られて、3失点目も簡単なクロスからのロングシュート。相手を褒めなくちゃいけないクオリティーもありましたけど、修正できるものは半分以上あったと思うので、そこを修正できれば点差は開いてなかったですし、もっと逆転できるチャンスが増えたんじゃないかなと思います。毎週、毎試合、ジュビロ戦(札幌ドーム、2●3)にしても、改善できない改善点は無いので、それを次に生かすことだけを意識して1週間過ごしてきた」と、神戸戦の勝利だけにフォーカスして1週間トレーニングに励んできた。
神戸MFアンドレス・イニエスタ(39)の日本ラストゲーム。当然、全国のサッカーファンの注目を集める。同じ1984年生まれの菅野は24年前にスペインで行われたU-15の国際大会「ナイキ・プレミアカップ」(現:マンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップ)で、イニエスタと対戦した経験を持っている。
初対戦は24年前のUー15国際大会
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東京Vジュニアユースvsバルセロナジュニアユース
「僕は中学生のときに彼と試合をして、そこから彼を注目して。同じグラウンドで戦った選手が、ヨーロッパの舞台で世界一を誇っている姿を同年代として見て、刺激をもらっていました」。99年8月、当時中学3年生で東京ヴェルディジュニアユースでプレーしていた菅野。日本大会を優勝し本大会でイニエスタが在籍していたバルセロナジュニアユースと対戦した。「とんでもない選手がいたので、その衝撃は今でも覚えています」。
神戸加入後も2戦2敗
2018年途中にイニエスタは神戸に加入。菅野は20年8月2日の神戸戦(札幌ドーム、2●3)で21年ぶりに再戦を果たした。この試合を含め、ここまでイニエスタが出場した神戸戦は2戦2敗とまだ勝利をつかむことができていない。「彼(イニエスタ)とできるのは、個人的にはすごくいろんなものを感じます。もちろん彼に追い付くことはできなかったけど、常にああいう舞台で活躍している同年代という目で常に見ていました」。最後となるかもしれないイニエスタとの〝同級生〟対決に今度こそ勝利して、新たな思い出を胸に刻み込む。
「どんな試合だろうが、常に今に集中」
イニエスタのラストゲームは異様な雰囲気の中での試合となりそうだが、Jリーグ通算596試合に出場し柏時代に国内3大タイトルを全て手にしている百戦錬磨の守護神は、「自分たちはどんな試合だろうが、今日の練習だろうが常に今に集中している。周りが盛り上げてくれるメディアが盛り上げてくれることは外的要因のところ。そこに目を向ける必要もなければ意識する必要もないので。自然とスタジアムの雰囲気は盛り上がると思いますけど、それはそれでより集中する材料になると思うので、意識せず戦うことが大事」と平常心で試合へ臨む。
神戸戦に向けてチームで意識するのは〝原点回帰〟だ。「やることは変わらないので。1人1人のハードワークだったりというところにもう1回立ち返って常に自分たちのサッカーをすること。こういう結果が出ないときだからこそ、自分たちに目を向けて。やることははっきりしているので、迷わず信じて突き進んでいきたい」。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)が常日頃からチームコンセプトとして口にする『走る、戦う、規律を守る』。チーム全員がこの精神をより強く抱き、難敵・神戸に真っ向勝負を挑む。