山本拓 最速152キロでファイターズ無失点デビュー 荷物トラブルもなんの
■パ・リーグ9回戦 オリックス5ー1日本ハム(6月30日、エスコンフィールド北海道)
3番手で登板し生還許さず 笑顔の女房役に引っ張られ
日本ハムの山本拓実投手(23)が30日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦で、中日から移籍後、初登板を果たした。八回に救援し、1回1安打無失点。最速152キロを計測するなど、持ち味を発揮した。
「めちゃくちゃ緊張したんですけど、マウンド行った時に伏見さんがすごいニコニコ笑顔で迎えてくださって、落ち着いて投げられた。良かったです」と声を弾ませた。
新庄監督もほほ笑む内容 先頭に安打許すも後続を断った
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身長167センチの剛腕が、本拠地のファンを沸かせた。先頭の杉本に直球をはじき返され、中前打を許したが、ゴンザレスは注文通りの二ゴロ併殺。若月は遊ゴロに仕留め、新天地デビュー戦を無失点で切り抜けた。
「思い切って腕を振ることだけを考えて投げた。ボール自体は、球速もいつもぐらい出たかな」と一定の手応えを感じていた。ビハインドの苦しい展開だったが、送り出した新庄監督はベンチでうれしそうに、ほほ笑んだ。
稲葉GMも安堵 武田久&谷元を彷彿とさせる姿
中日から移籍してきた山本は27日の西武戦(那覇)から1軍に合流していた。トレード成立に関わった稲葉GMは、新しい仲間の輪に加わった右腕を見つめ「(すぐに溶け込めるか)ちょっと心配だったけど、いい子そうだし、頭が良さそう」と表情を緩めた。
小柄な点も長所として評価し、獲得に至ったという。体格が近い武田久、谷元は日本ハムで勝利の方程式を担っており「やっぱり2人と重なる部分はあるよね」と認めた。
移籍間もない1軍昇格の裏で… アクシデントもはねのけた
期待は大きい。ただ、移籍が決まって、2軍、1軍と慌ただしく動く中で、山本拓はアクシデントに見舞われていた。札幌の寮に送るはずだったスーツケースが北広島の新球場に届き、沖縄遠征から戻っても私服が足りなかった。
「沖縄遠征中から私服が足りず、消臭スプレーをかけて2日続けて着ました…。札幌に戻ってワンセット、服を買いました。ユニクロで。バスタオルもなかったですし」と苦笑い。投球に支障が出ないよう、何とか急場をしのいできた。
7月9日には先発登板 ともに移籍の郡司と「刺激し合いながらやっていく」
7月9日のロッテ戦(エスコン)では、中日から一緒に移籍してきた郡司とバッテリーを組み、先発マウンドに上がることが決まっている。「きょうも郡司さんが初球でヒットを打って。僕が登板で点を取られたら絶対になんか言われるなと思いながら投げました(笑)。助け合いながら、刺激し合いながらやっていけたら」。ワクワクしながら大一番を迎える。