ファイターズ
2021/10/22 15:15

大海7回2失点力投むなし…10勝は最終カードへ持ち越し

五回2死一、二塁とピンチを背負った伊藤は牧原大を三振に斬りガッツポーズ。10勝目はまたもお預けとなったが、見事な投球内容だった。(撮影・桜田史宏)

■日本ハム2ー2ソフトバンク(21日、ペイペイドーム)

 大海、またも大台ならず…。日本ハムは21日、敵地でソフトバンク最終戦に臨み、2―2で今季20度目の引き分けに終わった。10勝を目指し、伊藤大海投手(24)が先発した。球威とキレのある投球で、六回まで相手打線をわずか2安打に抑えていたが、七回に甲斐拓也捕手(28)に痛恨の12号2ランを被弾。7回4安打2失点で降板となった。しかし、打線が奮起。九回2死一、二塁から杉谷拳士内野手(30)の左越え2点適時二塁打で伊藤の負けを帳消しにした。

引退・長谷川の気迫に飲まれ、甲斐に2点被弾

 最後は球場の空気に飲み込まれてしまったが、伊藤らしさは存分に発揮した。序盤から150キロ前後の直球と変化球をコースに投げ分け、相手打線を簡単に料理した。五回には1死一、二塁のピンチを背負ったが、柳町、牧原大から連続三振を奪い、力いっぱいのガッツポーズを見せた。
 0―0で迎えた七回に、潮目が変わった。1死二塁から今季限りで引退するソフトバンク・長谷川が代打で登場。本拠地ラストゲームということもあり、「ものすごい雰囲気でした」と伊藤は振り返る。「四球と死球だけは絶対ないようにと思って投げていた。初球から声が出るくらい思い切りいった」。一ゴロに打ち取るも、気迫のヘッドスライディングに、誰もが胸を打たれ、球場の“アウェー感”は最高潮に達した。
 その空気感が、直後の結果を生んだのかもしれない―。2死三塁から甲斐に痛恨の被弾。3球続けたスライダーを完璧に左翼席へと運ばれ、勝ち越しを許した。「あそこで真っすぐを行けない弱さ、きょうは真っすぐ自体は良かったので。バッテリーで負けたっていう感じ」と脱帽した。
 甲斐とは東京五輪でバッテリーを組み「すごい真っすぐを褒めていただいていたので、その真っすぐで勝負できなかったのが、ちょっともったいなかった」と肩を落とした。後悔の残る対戦となってしまった。
 九回、杉谷が2点二塁打を放ち、引き分けに持ち込んだことで借金を背負うことは逃れた。しかし、2桁勝利に王手をかけてから、6度の足踏みとなった。ここ2試合は7回2失点と好投しながらも、白星につながらない。栗山監督は「きょうに関しては、本当に申し訳ないと言うことしかない」と援護のなさに頭を下げた。
 次回は29、30日のロッテ2連戦での先発が濃厚だ。シーズン最後の登板となる。投球回は139回と、規定投球回まであと4イニング。「何とか次もいいピッチングできるように頑張りたい」。規定投球回に乗せ、10勝目をつかみ、ルーキーイヤーを締めくくる。
(十島功)

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