《神戸戦後》今日の拍手は我々に送られたものだと勝手に思っている
■J1第19節 神戸1-1(7月1日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸)
―試合を振り返って
1対1という結果に関して私自身は不満である。内容的に見れば我々が勝利していてもおかしくないゲームはできていた。きょうのVARが入ったシーンでは、ハンドでPKになってもおかしくない場面かなと思ったが、これまでもああいった場面でなかなか我々の方にPKが得られるような判定がないのが事象としてあって、今日も取られなかった。間違いなく来週火曜日のジャッジリプレー(DAZN)では今日のシーンが出てくるんじゃないかと思うが、その放送の中でまた議論されるんじゃないか。今シーズンのああいった場面では、ハンドを取られていた試合が多かったと思うが、今日は取ってもらえなかったのは残念だ。
日本ではクラブ間の予算の違いというものを把握しながらサッカーを見るという視点があまりないと思う。神戸のようなビッグクラブ、札幌のような小さなクラブといった違いがある中で戦っている。そういった札幌でも、しっかりとボールをつなぎながら攻撃を仕掛けていくということができる、そして自分たちの戦いができる、相手の嫌がるプレーができる、ということを証明できたと思う。
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今日のゲームの後、観客から拍手が起こったが、拍手は札幌に送られたと私は思っている。もちろん神戸サポーターから送られたものであると思うが、ヨーロッパで、例えばドイツでバイエルンミュンヘンがホームで1対1で引き分け、しかも試合の内容的に相手に上回られたとするのであれば、やはりサポーターはブーイングするでしょう。そういった厳しい目で見られるのがヨーロッパだと思う。神戸は日本でいうバイエルンに近く、ミリオンを稼ぐ選手がたくさんいるようなチームで、札幌は大学生を育てて頑張っているチーム。それぐらいの違いがある中での戦いだった。なので私自身は今日の拍手は我々に送られたものだと勝手に思っている。
神戸は大迫選手と武藤選手の決定力で勝ちを重ねているチームであり、札幌はチームとして自分たちの狙いとするサッカーの戦術で戦っているチーム。我々は本当に素晴らしいサッカーをしていると自負しているし、自信持っていいと思っている。サッカーを見る価値観や視点はもちろんいろいろあって良いと思うが、我々のやっているサッカーというのは、もっと共感を持ってもらってもいいと思っている。私がニュートラルなサッカーファンであれば、札幌のサッカーには共感を持っていると思う。
今日はカタールから来たレフリーの方が主審を務めていたが、神戸側からしたら食事でもおごってあげた方がいいのかもしれません。まあ、ジョークですけれども。神戸にもチャンスはあったし、我々札幌も多くのチャンスをつくった。見てる方々にとっては非常に面白い試合だったのではないか。私は札幌の監督なので主観的に見てしまうが、客観的に見た試合の感想というのは、引き分けはしたけど内容では札幌が上回れたゲームなのかなと思う。