中日から移籍の郡司 堂々のプロ初猛打賞 新庄監督「もう15年目かな(笑)」
■パ・リーグ11回戦 オリックス3ー6日本ハム(7月2日、エスコンフィールド北海道)
アピール続きの新戦力 新球場で移籍後初打点
中日とのトレードで加入した日本ハムの郡司裕也捕手(25)が2日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦で、プロ入り初の3安打を放った。移籍後初の打点もマークするなど、大暴れ。新庄剛志監督(51)から「15年目のベテラン」と称されるほど、堂々とプレーし、連敗脱出に大きく貢献した。
データ収集と読みが奏功 捕手ならではの3戦連続ヒット
二回はオリックス先発・山岡の直球に反応。三塁手のグラブをはじく強襲二塁打となった。三回2死二、三塁では、初球のスライダーを強振し、左前へ2点打。七回には宇田川の直球を中前にはじき返した。
1軍昇格後、3戦連続安打。慣れないパ・リーグの投手にも適応している。捕手特有のデータ収集と配球の読みが生きており「データも映像もめっちゃ見ます。その中での狙い付け。読みで打つバッターなので、そこ(捕手の経験)は強みかな」と受け止めていた。
三回2死二、三塁、適時打を放つ郡司
胸に響いた加藤豪のアドバイス 取り戻した積極性
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チームメートの助けもあった。1日の試合、五回に見逃し三振してベンチに戻ると、加藤豪から「絶好調なんだから、もっとバットを振らないと。状態が良い時は振れば勝手にヒットになるから」と声をかけられた。メジャーを経験している先輩からの助言は胸に響いた。積極的なスイングを心がけると、続けざまに安打が出た。
活躍に目を細める新庄監督 「頼もしいです」
3年以上在籍した中日で、猛打賞は一度もなかった。移籍が大きな転機なっている。試合後の新庄監督の会見。郡司の活躍について問われると、目を丸くして「もう15年目かな(笑)。なんかベテランの代打の切り札チックな落ち着きよう。やっぱりキャッチャーですね。球種を絞って一発で捉えていくところは。いやー、ベテランの姿にしか見えなかったですね。頼もしいです」と、最大級の賛辞を贈った。
落ち着いた振る舞い 結果で周囲を納得させてきた
冗談交じりの指摘だったが、実は核心を突いていた。指揮官の言葉を伝え聞いた郡司は、幼少期から経験してきた出来事に触れた。「ちっちゃいころからずっとそう。親とかにも言われていました。『大人っぽい』『オヤジくさい』と。高校、大学とか、新しい環境に行くと『もっと元気、覇気を出せ』と必ず怒られるんですけど、結果を出して黙らせるみたいなところがありました」。今は落ち着いた振る舞いが、高く評価されており「新庄監督がそう言ってくれているなら、良かったです」と表情を緩めた。
戦力底上げのニューカマー 感謝の思いを胸にグラウンド立つ
低音の渋い声や丁寧な受け答えも魅力。初めてお立ち台に上がった後「チャンスをくれた両球団とDHという制度に感謝したい」と謙虚にお礼を口にした。大人の風格を漂わせる新戦力が、若手主体のファイターズに大きな刺激を与えている。